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東電OL症候群 佐野眞一

toudenn

佐野眞一著
新潮社刊


本書を読んだのは、2008年春。



著者は、猫好きとしても知られ、

愛猫によせるエッセイを新聞で読み、

その想像力の凄さに感心しました。



昼は一流企業のキャリアウーマン、

夜は渋谷・円山町の売春婦という2つの世界を生きた女性が

何者かに絞殺されたのは1997年の3月だった。


この事件の一審判決までを描き、

大きな反響を呼んだのが『東電OL殺人事件』で、

本書はその後を受けたものである。


一審で無罪となったネパール人被告は

検察の要請により再勾留、

控訴審では逆転有罪判決を宣告されてしまう。


だが、無罪を信じる著者は、

ひるまず事件の行方を追い続ける。


再勾留決定にかかわった裁判官が

少女買春で逮捕されるなど、

一般には知られていない因果関係を明らかにし、

司法の堕落を追及していくのだ。


だが、執拗なまでの取材なら、

前作でも十分行われていた。


本書が単なる続編にとどまっていないのは、

事件を読み解く新しい視点が用意されているからである。


前作発表後、特に女性読者から

尋常ならざる反響が寄せられた。


その多くは、敬慕する父を失い、

エリートへの道を閉ざされて

堕落へひた走った被害者への同情と共感だった。


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ピートのスケートレース ルイーズ・ボーデン

pi-tonosuke-tore-su
ルイーズ・ボーデン 著
ニキ・ダリー イラスト
ふなとよし子 訳
福音館書店 刊



第二次大戦時、ドイツ占領下のオランダ。

国境近くの町に住むピートは、

スケートに夢中な10歳の少年。


いつの日か「エルフステーデントホト」という、

11の町をめぐるオランダ最大のスケートレースに出場する夢をもちつづけています。


そんなピートに、

冬のある日、重大な仕事が任されます。

父親がナチスに捕らえられ、

身に危険のせまるスケート名人の友人(女性)と弟を、

隣国ベルギーに逃がす手助けをすることになったのです。


行く手には警備兵が目を光らせています。

命がけで凍った運河をスケートで滑らなくてはなりません。

街の人々はピートにふたりの運命をゆだねました。


国境を越え、無事たどり着くことができるのか……。


スケートの力と、ほんとうの勇気がためされる、

ピートのスケートレースのはじまりです。


無事、任務を終えたピートはエルフステーデントホトに出場を果たすのです。


著者の、ルイーズ・ボーデン(Louise Borden)

1949年、米国のオハイオ州に生まれる。

大学で歴史学を専攻後、

小学校教師、書店経営をへて結婚。

『The Little Ships : The Heroic Rescue at Dunkirk in World War 』などのノンフィクション絵本を

はじめ20冊以上の絵本を刊行。


邦訳に『戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ』(岩波書店)と

『海時計職人ジョン・ハリソン』(あすなろ書房)がある。

現在、オハイオ州在住。

画家/ニキ・ダリー(Niki Daly)

1946年、南アフリカのケープタウンに生まれる。

大学で美術とデザインを学ぶ。

英国で音楽関係、イラストの仕事につき、

最初の絵本『The Little Girl Who Lived down the Road』で英国美術協会(BAC)からイラスト賞を受賞。その後も『Not So Fast, Songololo』

をはじめとする多くの絵本が米国などで高い評価を受け、

数々の賞を受賞。

現在は南アフリカで絵本作家として活躍している。

邦訳に『かわいいサルマ』(光村教育図書)と

『ママのとしょかん』(新日本出版社)がある。

現在、ケープタウン在住。
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ちいちゃんのかげおくり

tiityannnokageokuri

あまんきみこ著
あかね書房刊

父親の出征前、父・母・兄と家族4人で楽しく遊んだ「かげおくり」の想い出。

戦火を伝える物語です。

グリムス:地球温暖化
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ヨーガンレールの社員食堂 高橋みどり

yo-gannre-runosyainnsyokudou


高橋みどり著
PHP研究所刊

人気スタイリスト・高橋みどり著。

「いまでも忘れない、初めて感じたあの感動は、

この食堂の空気、光、そしてその存在にありました。


そのおいしさと献立に、ベジタリアンメニューだったことに、

そして確かな素材を使うことは

大前提としていることへの感心は次の時点での感動でした」


デザイナーであるヨーガン・レール氏自身が、

「誰のためでもない、まず自分のために」

選んだ、社内でも、とっておきの部屋にしつらえた社員食堂。

ヨーガンレール氏のアパレル会社を一躍有名にした、この社員食堂では、

有機野菜を中心に肉・魚を使わない、

こだわりのノンシュガー日替わりメニューが供されます。


実際の1年、216日間の献立とレシピをオールカラーで楽しめますよ。

グリムス:京都議定書

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ブログ通信簿受け取りました

gooブログパーツのブログ通信簿

管理人もトライさせていただきました。
    
      burogutu-sinnbo


10歳って・・・

漢字少ないかなぁ。
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ハンナのかばん カレン・レビン

hannnanokabann

カレン レビン 著
石岡 史子 訳
ポプラ社刊


第二次世界大戦中、

十三年の生涯をおえたハンナ・ブレイディ。

半世紀後、偶然、

ハンナが残した旅行かばんと日本でであった、石岡ふみ子。

ハンナはどんな少女だったのだろう…?

どんな家族にかこまれ、

どんな生涯をおくったのだろう?

そして、少女になにがおきたのだろう?

ふみ子先生のハンナ探しがはじまった。


ハンナの家族は、自営業を営みながら、

幸せに暮らしていました。

戦火が迫る中で、

ユダヤ系であった一家にも、

危機が迫ろうとしていた。


母親が、収容所へ出発した後、

しばらくして、父親もナチスに連行されてしまう・・・


勇敢な叔父夫妻の家に、匿われた兄妹にも、

やがて、ナチスからの呼び出し状が・・・


テレジン収容所で、兄とふたりで過ごした日々。


しかし、やがて兄は、ひとりアウシュビッツへ送られてしまう。


ひとり残されたハンナも、

テレジン収容所から、アウシュビッツに移送されたその日、

ハンナの人生は、終りを告げてしまうのだった。


アウシュビッツ収容所から、

衰弱しながらも奇跡的に生還した兄は、

4ヶ月かけて叔父夫妻の待つ故郷の街へたどり着くが、

両親の悲報を聞かされ、

テレジンで一緒だったと言うハンナの友人から、

ハンナの最期を知らされたのだった。

家族との再会を生きがいに、

重労働に耐えてきた17歳の兄は、

あまりにも、過酷な現実に、

すぐに、ひとり故郷を離れ

カナダへ渡り、テレジンで憶えた配管の技術を生かし、

会社を興し、結婚。


やがて子供にも恵まれ幸福だったが、

ハンナの事は生涯、心の奥に封印し苦しんでいた。

ハンナのかばんは、石岡氏の手で、

半世紀を経て、実兄の手元に届けられたのだった。


ハンナの母が、収容所からの手紙に添えた

12歳の誕生日プレゼント・・・。

自分の食事として出されたパンを、

ハート型に固めて作ったペンダントは、

見る人の胸に迫ります。

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流転の王妃の昭和史 愛新覚羅浩

rutennnoouhinosyouwasi

愛新覚羅 浩著
新潮社刊


   プロローグ 七十歳の誕生パーティー
   第1章    日満親善の美名の陰に
           軍部の仕組んだ見合い話
           聡明なまなざしの青年
           あわただしい婚約と結婚
   
   第2章    満州国での新生活
           初めての三跪九叩
           日満親善の申し子
           関東軍にあらざれば人にあらず
           溥儀皇帝の秘蔵っ子

   第3章    平安と戦火の狭間
           お伽の国の北府
           紫禁城に秘められた謎
           炎の東京夜間空襲
           日本からの最後の便り

   第4章    終戦・満州国崩壊
           急遽御前会議開かる
           深夜の新京脱出
           大栗子での玉音放送
           逃避行の始まり

   第5章    流転の日々
           悪夢の通化事件
           留置場から刑務所へ
           開拓団員の妻になりすまし
           最後の引揚船
                        他
                 

昭和12年、嵯峨公爵家の長女だった著者は、

宣統帝の皇弟 愛新覚羅溥傑氏と

結婚後しばらくして、渡満されました。


敗戦後は、開拓団員とともに、

動乱の満州を幼い次女を伴い横断中、

日本人の密告者により、危険な目に遭うも、

日本の特務機関に救出され、

最後の引き揚げ船で、無事帰国されました。


その後、16年の抑留生活を経験された溥傑氏と、再会され、

幸福な晩年をお過ごしになられました。


当時を語る著者の記憶の鮮明さには、驚かされます。


決して、哀しいお話ばかりではなく、

往時の偲ばれる、北府での豪奢なお暮らしぶりも

描かれております。


内容については、多くは申せませんが、

昭和史の、お好きな方には、おすすめの1冊です。
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日本の阿片王 二反長音蔵とその時代

nihonnnoahennou

倉橋正直著
共栄書房刊

 第1章 ケシ栽培の普及で実業功労者

  はじめに

   1.ケシ栽培の成功がもたらしたもの

   2.ケシ栽培普及のため東奔西走

   3.福井村はケシ栽培のメッカ

   4.大阪府は阿片生産で全国一

   5.実業功労者として表彰される

   6.ケシの品種改良

   7..音蔵の生涯を時期区分

 第2章 音蔵の外地旅行

  はじめに

   1.満州へ

   2.長白県

   3.熱河省へ

   4.関東州などへ

   5.蒙彊地区へ

   6.戦争と阿片

   7.音蔵の外地旅行の意味

 第3章 阿片王二反長音蔵と帝国一日一善会

  はじめに

   1.帝国一日一善会の結成

   2.帝国一日一善会の会員など

   3.一日一善のすすめ

   4.社会福祉事業にも手を染める

   5.運動の終息

   6.戦後、反省したか

 付論1 旧厚生省の資料について

 付論2 燐酸コデインの政府専売について

  あとがき


NHKスペシャル戦争記録選「日本軍と阿片」が放送された後なので、

関心をお持ちの方も、多いかと存じます。

この番組の冒頭には、銀白色の芥子の花畑が、出てまいりました。

戦争中に、より多くの阿片を採取する目的で改良された品種であり、

DNAを保存する目的で、現在も、栽培されているのだそうです。



本書は『桜の国の少年』『大地に立つ子』 『自転車と犬』 で知られる、

童話作家で、ペンネーム二反長 半(にたんおさ なかば)氏の父で、

ケシの品種改良・栽培とその指導に、

一生をかけた二反長音蔵(にたんちょうおとぞう)の、

主に晩年を描いております。


二反長の姓は、苗字を選ぶ際、

当時、二反あった農地を少しでも増やしたいと言う願いから

先祖が名付けたのだそうです。


もともと二反長家は、大阪の福井村で、

一二を争う山林、田畑持ちでしたが、

音蔵氏が、晩年、帝国一日一膳会を結成し、

社会福祉事業に手をそめた結果、山林を手放すに至りました。


阿片王と言っても、栽培者としての日本一で、

生涯、生家のある大阪近郊の農村を離れず、

自転車で旅行し、綿服を着用し、農業を愛し従事した音蔵氏は、

自らの技術で、巨万の富を得る事はありませんでした。


栽培された阿片は、アジアの方々に多大な災厄をもたらし、

100万人の日本軍を、8年間

満州に常駐させる費用を捻出するもとになりました。

日本の阿片戦略を知る上で、興味深い一冊です。


改良されたモルヒネの含有量の多い品種の一部は、

医薬品(モルヒネ)となり、戦時下での医療にも用いられましたが、

芥子に含まれるアルカロイドの一種、燐酸コデインは、

戦前は専売制なだったのだとか・・・。

戦後は、民間の製薬会社にゆだねられたそうです。

コデインは、咳止め・鎮痛剤等の医薬品に

身近に使われておりますので、

現代の生活に無関係とも、言い切れませんね。


厚生省は、万一に備え、全国で20戸程のケシ栽培農家を、

意識的に残存させ、栽培技術・種子を保持しているそうです。

それは、戦争などで、原料阿片が途絶する可能性を

否定しきれないからだそうです。


作品中に度々、引用される、

「尊農」のペンネームで書かれた音蔵氏自作の紀行文は、

とても読み易く、日中戦争後の満州・モンゴル周辺の様子が、

ありありと描かれております。
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母べえ 野上 照代

kaabee

野上 照代著
中央公論新社刊



日中戦争が激化しはじめた頃のお話。


野上家では、ドイツ文学者の夫・滋と妻・佳代、

そしてしっかり者の長女・初子と

天真爛漫な次女・照美の4人が貧しくも明るく暮らしていた。


お互いを「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」と

呼び合うのでした。


昭和15年2月の、ある寒い朝、

夜が明けると間もなく、

父べえ(滋)が治安維持法違反で検挙され、

思想犯として投獄されてしまいます・・・。


隣町の警察署長の娘だった母べえにとって、

辛い日々が始まる。


土足で訪問した、ふたりの特高に、

父べえが連行される所は、衝撃的でした。


毎週末、差し入れを持って、面会に通う

母べえは、周囲の冷たい視線・言葉の暴力にも、

ひたすら笑顔で耐えたのだった・・・。


やがて、巣鴨へ移送された父べえは、

第二次世界大戦が勃発する前に、

30代の若さで心疾患で、突然、帰らぬ人に・・・。



ノンフィクションですが、父べえが投獄中に、

病死する所だけは、フィクションです。


実際には、連衡された滋氏は無事釈放され

夫妻ともに、50代まで存命だったそうです。


当時の暮らしぶりが、身近に感じられました。


哀しいお話ではありますが、

家庭の温もりが肌で伝わる様な、

ほのぼのした描写が多いので、安らぎますね。
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紫の履歴書 

murasakinirirekisyo6086

美輪明宏
水書房刊



装丁とは、全く異なるイメージの内容に驚きました。

手に取られた方は、冒頭の数ページで、
同じ感想をお持ちだと思います。

意外性が多く、次々と興味をひかれる内容なので、
長編でしたが、一気に読めましたよ。

著者の、33歳までの
赤裸々な半生が描かれています。

赤木圭一郎氏とのドライブの想い出も・・・。

冒頭は美しい故郷の描写から、始まるのですが
著者が、どれ程、原爆で焼失してしまった街を愛していたか・・・。

10代の頃の想い出は、涙なしには読めません。

同時代の苦学生が、さらされた苦労のほとんどを、
体験されました。

被爆後、2度の大事故にも・・・。

本文中には、「男らしく」「それが男というものだ」
と言う、表現が随所に見られ、
著者の信条が現れています。
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生きながら火に焼かれて

ikinagarahiniyakarete6087

スアド著
松本百合子訳
ソニー・マガジンズ刊



  プロローグ 火あぶり

  第1部 第1の人生
   1.育った村の記憶
   2.消えた妹ハナン
   3.殺される女性たち
   4.裸足の花嫁、姉ヌーラ
   5.わが家の王様、弟アサド
   6.許されない恋愛の記憶
   7.望まぬ妊娠
   8.死と闇の記憶

  ジャックリーヌの証言
   火あぶりにされた少女との出会い
   決死の救出

  第2部 第2の人生
   9.再生
   10.結婚
   11.絶望と罪の意識の中で
   12.生き残った者の義務
   13.息子との再会
   14.本当の家族

  女性たちを救う仕事 ジャックリーヌ
  読者へのメッセージ スアド


ヨルダン川西岸の、警察すらない地域の村に生まれ
17歳で、恋をし妊娠した為に、
家族は、名誉を汚した罰として、
スアドを、火あぶりにしました。

長男マルアンを出産後「SURGIR」の手で
(親子一緒に)スイスへ救出され、
奇跡的に、一命をとりとめました。

結婚後は、家族に囲まれ
幸福な日々を過ごすスアドさんです。

妻への、DVの多い故郷の村の暮らしとは違い
イタリア人のご主人は、とても温和な方で・・・。

「名誉の殺人」の唯一の生存者『スアド』が、
自分を取り戻すまでの、再生の記録。




著者の病室に、もうひとり
「火の中に落ちた少女」がいた事から
火刑は、特殊な事では、ないようです・・・。

担当医も、積極的に
治療しないのですから、驚きです・・・。

以前、求婚者(近所のファイエツ)の両親から
正式に結婚の申込みがあった青年です。

ずっと年上だった男性側は一切責任を取らされず、
抗議も非難もされはしないのです。

いわゆるショットガンマリッジ(できちゃった婚)
の様な習慣は・・・ないそうです。


家族会議で決定された、運命の日は
(家に)実行犯と被害者だけを
残して両親は外出する・・・。
その、あまりの、念のいれように絶句しました・・・。

「犯人」は、法で裁かれる事もなく
「英雄」になれるのですから・・・。

もう、異常な事態としかいいようがありません・・・。

そうしないと、村に住めなくなるなんて・・・。




20ヶ国以上で、翻訳出版されています。

女の子は、家畜の世話をする時以外は、
家から一歩も外出せずに成長します。

『外出する権利』は、結婚によって得られます・・・。

フランスでは42万部も売れていますが、
「名誉の殺人」と言う、言葉も
まだ、ほとんど知られていません。

年間6000人(事故・自殺ぬきで)
の女性が「名誉の殺人」の
犠牲になっているのが実情です。

刑務所で保護してもらえる国もありますが
出所してすぐに殺されてしまった娘も多いらしい・・・。

イスラム教指導者や、バチカン・・・
フセイン大統領でさえも「名誉の殺人」を
禁止しています。

来日した著者へのインタビューも行われました。

   <SURGIR>
   精神的・肉体的に苦痛を抱え、罪深い慣習に
   拘束されている世界中の女性たちおよび
   その子供たちのためのスイスの組織です。

   SURGIRは女性たちを、打ちのめしている
   不公平な因習と日々、必死に闘っています。

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イラクの小さな橋を渡って

irakunotiisanahasi6089

池澤夏樹著
元橋成一写真
光文社刊


  戦争がはじまったら、どんな人々の上に
  爆弾が投げられるのか知りたかった。
         「イラクの小さな橋を渡って」より
             



豊かな市場の様子や
子供達の輝くような笑顔が印象的でした。

著者は、
「イラク国民は、本当にサダム・フセインの圧政下にあったのか?」
疑問を感じています。

イラクは、もともと豊かな国で
食料の薬も充分にあり
原油を売ったお金で、何でも買えた・・・。

ドライブインでも、道端のレストランでも
テーブルに載りきらない程の
おいしい大皿料理が並んだといいます。

『食べ切れなくて、あまる位がアラブ流のもてなし』でした。

経済封鎖が始まるまでは・・・。

今では、食料が足りずに
5歳以下の子供の死亡率が高くなっています。

以前スーダンの薬品工場が、
ミサイルで爆破された時
多くの人々が、
何でもない病気で亡くなられたそうです。

『爆弾だけが、人を殺すのではない』
という言葉に、衝撃を受けました。

ページをめくると、そこには
荒れ果てた、廃墟が広がっていました・・・。

いろんな危険な地域を撮影してみえる
元橋成一氏の美しいモスクの写真が印象的でした。
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聞き書き 尾上九朗右衛門 アメリカに移住した梨園の御曹司

onouekuroemonn6080

花田昌子著
朝日新聞社刊

 ハワイからのメッセージ
 占領下の留学
   廃墟での決意
   出航
   ロサンゼルス上陸
   パサデナ・プレイハウス
   ブロードウェイのミチコ
 故国でのジレンマ
   挫折と励まし
   映画出演
   ミチコと結婚
 歌舞伎を海外へ
   初のアメリカ公演
   ヨーロッパへ
   再びアメリカへ
   陰の立役者
 大学教授
   卒中
   演技を指導
   ハーバード大学
   ローブ余聞
   ボストンを去って
 住めば都
   福祉の国
   クラブ・ライフ
   ピーター・セラーズ
   メットで上演
 生いたち
   尾上家のこと
   子役のころ
   二人の母
   稽古
   父と映画
 名題
   九朗右衛門
   入隊・復員
   結婚
   六代目死す
 再びハワイから

留学時の経験を生かし、海外の大学生に
歌舞伎の実技を教えられた
尾上九朗右衛門氏の一生を綴った本。

アメリカ公演の第一回目の演目は、
『娘道成寺』『忠臣蔵』『勧進帳』『籠釣瓶』
『壷坂霊験記』『身替座禅』等。
「中村勘三郎」「中村歌右衛門」「尾上松緑」
とは、夢のような豪華さ。

往年の歌舞伎ファンには、懐かしいのでしょうね。

実父、六代目菊五郎氏の、知られざる意外な一面も
多く描かれています。

戦時下では、千島列島で砲兵や衛生兵を経験されました。

無事、復員時し、楽屋で父子再会した時の
エピソードが印象的でした。

著者は、以前、偶然、九朗右衛門氏の
お隣に住んでみえた縁で、執筆にあたられました。


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寵妃ロクセラーナ

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渋沢幸子著        
集英社刊                


本名アレクサンドラ・リソフスカ。

ポーランドを侵掠したタタール人に
さらわれ奴隷となり
大宰相イブラヒム・パシャに買われた後、
1520年にスレイマン1世に献上された。

背丈はかなり低く、
愛想がよく陽気な性格であったと伝えられる。



トルコ研究家・紀行作家。
他の作品に、
「イスタンブール、時はゆるやかに」
「イスタンブールからバスに乗って」
「イスタンブールから船に乗って」
「イスタンブール歴史散歩」
「エーゲ海ゆらゆら」
「キプロス島歴史散歩」
「ハーレムの女たち」
「落日のボスフォラス」

ロクセラーナは、オスマン帝国第10代スルタン、
シュレイマンⅠ世から、おくられた愛称だと、
思いましたが・・・
西洋人がつけた、ロシア女という意味の、
蔑称でした。

ウクライナのルテニア地方の寒村の、
司祭の娘、アレクサンドラは、
村を襲ったタタールの盗賊団にさらわれ、
クリミア半島の東南、黒海に臨む、
カッファの港にある奴隷市場に送られます。

美しい赤毛を持つ、アレクサンドラは、
後に、大宰相となる、麗しの
イブラヒム・パシャの目にとまり、
即位したての シュレイマンⅠ世への
献上品として、イブラヒムの館へ、迎えられます。

1ヶ月後。
イブラヒムによって、フッレムと名付けられた
アレクサンドラは、宮殿へと向かいます。

「チョック ギュゼル」 (とても素晴らしい)と、
称賛されたフッレムは、イクバル(お気に入り)
からカドゥン・エフェンディに。

そして、瞬く間に、ハセキ・フッレムとなり、
ついには、ハーレムを出て、王妃となります。

17歳で皇子を出産したフッレムは、
その後も3男1女に恵まれて、
幸福に暮らしますが・・・。

当時の、オスマン帝国では、
第一皇子が即位すると、
第二皇子以下の兄弟達は、
絹の紐で、絞殺される掟でした。

そして、フッレムの長男は
第二皇子でした・・・。

バシュ・カドゥン・エフェンディ(第一夫人)の、
マヒデヴランのひとり息子で、
第一皇子のムスタファは、
即位する事なく 葬り去られます。

同様に、フッレムの4人の息子達も、
数奇な運命をたどります。

一気に読めました。

ややこしい(笑)オスマン帝国の制度も、
さほど、気になりません。

デウシルメ(少年選抜徴集制度)によって
毎年、異教徒の中から、
体力・知力・容姿に優れた少年を集めて、
イスラム教に 改宗させ、
イエニチェリ(近衛歩兵師団)や、
クル(宮廷奴隷)に。

クルになれば、ギリシャ系であれ、
アルメニア系であれ、
出自は一切、問われません。

出世の鍵は、本人の能力と
スルタンの恩寵のみ。

この時代、大宰相になった人物の
ほとんどが、クル出身者だったそうです。

イブラヒム・パシャも、その中の一人でした。

14歳の時に、ギリシャで、
海賊にさらわれたイブラヒムは、
マニサの裕福な老婦人に売られます。

その後、デウシルメによって、
徴集されたイブラヒムは、
カッファで総督をしていた、シュレイマン
(皇太子)の小姓と なり、
ついには、大宰相になって、
シュレイマンの妹を娶り、
肉親を呼び寄せましたが・・・。

意外な事に、彼もまた、あっけなく、
43年の生涯に幕をおろします。

結局、誰ひとりとして、
最期まで幸福だった人物は
いませんでしたが、不思議と
陰惨な感じが無く、あっさりと読めました。  
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誰も教えてくれない完全ムショ暮らしマニュアル

musyo6080

北代司著
kkベストセラーズ刊

  【初級編】
  1.刑務所の種類
  2.刑務所の初日
  3.1日のスケジュール
  4.刑務所は週休二日制
  5.入浴のシステム
  6.検身場
  7.作業着や下着のこと
  8.受刑者はなぜボウズ頭なのか
  9.男女で違う美容ケア
  10.賞与金
  11.玉入れ
  12.ムショ内禁書リスト
  13.娯楽施設はあるにはあるが
  14.くさいメシを食うということ
  15.「担当」と「オヤジさん」って誰?

【応用編】
  16.「担当抗弁」って何?
  17.気分次第で懲罰送りに
 18.シンナー事件
  19.アタリいって来ま~す
  20.シャブの話
  21.医療・事故・逃亡・自殺
  22.受刑者の階級
  23.日本と外国のムショの違い
  24.ムショをあげてのイベント
  25.抜き打ち房内捜検
  26.刑務所内の秘密の暗号
  27.腹の立つ奴をおとしめる法
  28.ムショ・ブランドって何?
  29.食事の賭け  
  30.オカマ・ホモ・レズの話

 【達人編】
  31.刑務所を訴えてもほとんど敗訴
  32.拷問と拷問具
  33.交通刑務所について
  34.ユニークな刑務所
  35.女囚の因縁
  36.改装あるいは新築の刑務所
  37.軽屏禁(けいへいきん)って何?
  38.刑務所を出てからのこと
  39.死刑について

決して垣間見る事の出来ない
刑務所の内部のお話。

全国には、67の刑務所があるそうです。

かつては、入浴時の「かけ湯」の回数も、
各刑務所ごとに決まっていて、
オーバーすると、懲罰房行きだったのだとか・・・。

リアルタイムでテレビが見られるのは、
大晦日の「紅白歌合戦」だけだそうです。

獄中労働の軽重に応じて、食事の量も
一等食~五等食があると知り、とても驚きました。

ちなみに、五等食は、懲罰房の食事です。

各々、階級がきまっていて、昇進すると
面会の回数も増える上に、
菓子類の配給もあるそうです。

食事だけは、みんな、平等だと
思い込んでいたので意外でした。

海外の刑務所との相違も描かれていて
カルチャーショックを受けました。

私服で過ごせたり、房内に
コーヒーメーカーまで持ち込める刑務所もあるらしい・・・。

出所直後にすった煙草で、目まいを起こし
珈琲を味わう様にして飲んだという体験談からは、
ほど遠い環境のようですね。

日本の刑務所は、世界でも待遇の良い
人道的な扱いをしてくれる所だと
信じていたので、意外でしたね。

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三億円事件

saoookuenn6085

一橋文哉著       
新潮社
               


一気に読めますが、一行一行が
証拠のかたまりなので、かみしめて読みました。

著者の一橋 文哉氏は、
いろんな事件について書かれた方。

他の作品も、読みたいです。
この本は、昨年、ドラマ化されました。

三億円事件の捜査費用・・・十億円。

本書の中で、白バイ警官に変装していた
といわれる、事件当時22~23歳だった
「ロク」が、三億円事件の1ヶ月後、行方不明に・・・。

その後、5年を経過して、「ロク」は、病気で死んだらしい・・・
との噂が、仲間の間で、まことしやかに、ささやかれます。

「ロク」は、三億円事件の1ヵ月後には、
生まれ故郷の、名古屋に戻っていました。

ガソリンスタンドや整備の仕事をこなし、
親類を遠ざけ、一人でひっそりと、
アパートを転々として暮らしていたのですが。

それから、10年後・・・訪れる者のなかった
「ロク」の墓に、身元不詳の男性の手で、
花が供えられる様になったという・・・。

「ジョー」は、いつも、デスクの上に、
若い日本人男性の写真と、
誰かの位牌を置いていたといいます。

そして、「ジョー」は、車は運転しても、
決してバイクに乗る事は、なかったという・・・。
「ジョー」の恋人(=姐御)が、
「ジョー」とドライブ中に紛失したぶどうの形の
水晶のイヤリングが、犯人の残していった
盗難車の中から、遺留品として発見されています。

はたして、三億円の隠し場所とは・・・?
このあたりが、とてもスリリング。

また当時は、横田基地のフェンスにさえ、
車が出入りできる様な、
大穴が開いていたなんて・・・絶句。

立川基地にも、バイクが出入りできる大きさの
穴があり、暴走族が深夜、
自由に出入りしていたとは、驚きです。
そして、事件当時、(府中にも)府中基地があった
とは、知りませんでした。

三億円事件5日後に自殺した、青年と
「先生」との接点は・・・。



楽しく読める本です。

著者は、強奪されたものと番号の一致した紙幣を
「ヨシダ」と名乗る人物から、見せられ、
事件にのめり込んでいったようです。

巻末には、アメリカでの「先生」との
対決インタビューも収められており、ドキドキします。

流通量が多いので、ブックオフの
100yenコーナーでも、入手可能ですね。
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阿片王 満州の夜と霧 佐野眞一

ahennou

佐野眞一著
新潮社刊


先日放送の、NHKスペシャル戦争記録選「日本軍と阿片」の中の、

東京裁判で、自らの罪を認める旨の証言をする、

里見甫の肉声を聞きました。

くぐもった声ではなく、張りのある、野太く明瞭な声でした。


目立たない外見で、物静かな雰囲気でしたが・・・

私的な印象としては、「大きい声なら、どれだけでも出せる」タイプ。


里見の晩年の秘書で、

里見の口述ノートを秘匿する伊達弘視についての文章から始まる、

満州国で「阿片王」と言われた(さとみ はじめ)

中国名、里見夫(リーチェンプー)についてのルポです。


里見は、A級戦犯として巣鴨に収監され、

無罪で釈放、帰国後、

晩年になってから長男をもうけました。


里見遺児奨学基金発起人名簿に、

記載された人物を追う辺りから面白さが増しますね。

当時の上海の、混沌とした空気がよく伝わってきます。


里見甫を巡る様々な人物の、

戦後の暮らしぶりも詳しく描かれています。

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≪御直披・おんちょくひ≫

onntyokuhi60-86

板谷 利加子著
角川書店


「御直披」(あなただけに読んでいただきたいのです。)
と記され、著者の元に届けられた一通の手紙・・・。

性犯罪捜査官の著者と共に闘い、
犯人に対して、強姦罪としては有期最高刑の
懲役20年の判決を勝ちとるまでの
被害者と、著者との、
温かい心の交流を描いた、ノンフィクション。

著者の(実母の)介護経験も、語られています。




著者は、執筆当時、
神奈川県警察本部性犯罪捜査係長でした。
現在は、警部補になられました。

御直披=親展。

『性犯罪の60%が、顔見知りの犯行』
(親・兄弟・親類を含む)
と、知り驚きました。

本の内容は、被害者と著者の間で
かわされた手紙の写しです。

もちろん、差出人の同意の上で
公開された物です。

家に入る時、(中に)誰もいなくても、
チャイムを鳴らし、家族がいるフリをする。

「誰も帰宅していないな」という顔で
おもむろに鍵を出す。

歩いている時に、不審者を見かけたら
携帯を持っていなくても、

「今から帰るから。
あっ、そこまで向かえに来てくれるの。
ありがとう。」

と、電話するフリをする。

帰宅する際、チャイムを鳴らす習慣を
つけるのも良いそうです。

エレベーター内で、バックから鍵を出し、
ダッシュで部屋に向かい、
チャイムを押さずに、鍵を開ける女性は
ひとり暮らしだと、すぐに、判るそうです。

オートロックのマンションでは、
もう、皆さんご存知の様に、
1階の鍵を開けた瞬間、後ろから接近し、
部屋番号を聞きだし、鍵を奪う手口も・・・。

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≪私のカラフト物語≫

karafuto60-90

恵原俊彦著
東京図書出版会




大正8年に、カラフトへ渡った一家の記録。

カラフト生まれの著者が、抑留生活の後、
盛岡へ引き揚げるまでが、
56の短編にしてまとめられております。



ダッタン人と言うのは、タタール人(トルコ系遊牧民)
の事だとはじめて知りました。

少年時代のエピソードは、著者の
子供らしい驚きに満ちています。

カラフトには、映画館もあり、日本人も
多く住んでいたもようです。

カラフトシシャモは、北海道の物より大きく
体長は12~3㎝ですが、「雑魚」と呼ばれ
当時は、食用ではなく、飼料でしたが
網の一投で、石油カン半分も獲れたそうです。

また、豊眞線は、上越線と並ぶ、渓谷美を
堪能できるループ線ですが、ロシア領に
なってからは、客車では通れなかった様です。

引き揚げ船に乗船する前に、
風景が入っている写真は没収されました。

ルーブル貨幣とカペイカ硬貨も没収です。

抑留生活中に、同居していたニコライ・バーヴシカ
母子との心温まる交流。

タグボートの火夫をしている時、三角波の底へ
入った体験。

Kさんが、タコ部屋から逃亡する「逃亡を決意」では
自分が捕まる様で、ドキドキします。

「引き揚許可証」を、無事にもらうまでの
エピソード等も見逃せません。

抑留生活や、悲惨な戦争体験も語られていますが、
何処となく「あの頃はみんな、そうだったんだよ」的な
柔らかな表現で描かれています。

客観的にとらえる事ができ、
穏かな気持ちで読めました。

どちらかと言えば、内容は、人情話の方が多く
語られています。

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死体検死医

kannsatui

上野正彦著
角川書店



元東京都監察医務院長
医学博士

他の著書に、
「解剖学はおもしろい」

一気に読める本。

最初に、表紙の著者の顔写真を見ましたが・・・
物静かで、温厚な方の様にお見受けしました。

学者の風貌。

とても、警察関係のお仕事に
携わってみえる方には、思えません。

NHKのアナウンサーさんみたいな印象を受けます。
監察医は公務員なのだと、初めて知りました。

生前の人権を擁護し、社会秩序を維持する
『ご遺体のお医者さん』です。

故人の人権を守る為に、尽力してこられた様子が
よく判ります。

生命の尊さを考える本。

「小平義雄事件」「大久保清事件」など、
終戦後の事件も語られています。

「ロズウェルの宇宙人解剖」に対する所見。

「ジョンベネ事件」にも、言及しています。

神戸の「タンク山事件」についても、
ふれています。

『死後も名医にかかるべし』(本文より)と、言う
言葉が印象的でした。

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≪‘‘ⅠT’’(それ)と呼ばれた子≫デイヴ・ペルザー

it60-88

デイヴ・ペルザー著
田栗 奈美子訳
青山出版刊



米カリフォルニア州史上ワースト3の児童虐待を
5年以上、体験した作者が、自ら綴った
生還までの闘いの記録。


著者は、小学1年から、警官に救出されるまでの間
実母から、虐待されながらも生きぬきます。

他の兄弟達のその後の消息は、不明です。

かばっていた父親も、家庭が崩壊していく中で
相当辛かったと思います。

完璧に家事をこなし、料理好きで、ご主人を
大事にしていた彼女に、いったい、何が
起きたのでしょう・・・。

私には、わかりませんが。

何かが、あった様な気がしてなりません。

それは、ありがちな事かも知れません・・・。

が、彼女にとっては、耐え難いものだったのでは・・・。

家族が、まだ、幸せだった頃、著者は
『本当の家族が居て、幸せだからよ。』
と、言いながら、涙を流す母親の姿を
見ています。

消防士だった父親は、勤務の都合上
家を留守にする事が多く、その度に著者は
大変、恐い想いをします。

小学校から帰宅し、家に入る前に、
「明日も、あの太陽が見られるだろうか」
と、思った日もあったようです。

ほとんど、食事を与えられない暮らしの中で
食物を入手するために、あらゆる可能性を
考え、綿密に計画して実行する。

この大胆な行動力は、母親ゆずりなのでは・・・。

兄弟の中で、一番聡明だった著者は、
一番、母親似だったのではないでしょうか。

命の危機が迫った時でさえ、冷静に自己を
分析する能力には驚きました。

誰にでもできることではないと思います。
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≪メンデ 奴隷にされた少女≫

mennde60-89

メンデ・ナーゼル著
ダミアン・ルイス著
真喜志 順子訳
ソニーマガジンズ刊

 

スーダンのヌバ山地で平和に暮らす、
先住民(少数民族)ヌバ族の12歳の
少女、メンデを襲った過酷な運命。
メンデが自由を手にするまでの半生の記録。



「荷造りをしたりして、見つかるんじゃないぞ。
体ひとつで逃げるんだ。」

と言う、救出してくれたヌバ族のバボの
言葉が印象的でした。

洗濯機・掃除機のある家に、奴隷は
必要でしょうか。

世界中が、ミレニアムにわいた年の
9月11日・・・
メンデは、イギリスの路上で
自由の身になりました。

メンデは、温かい家庭の
理解ある両親の元で、育ちました。

ヌバ山地で過ごした、子供の頃の豊かな
思い出も、多く語られています。

ヌバ族の慣習や暮らしぶりも、
生き生きと描かれています。

ある日、村が、ムジャヒディンによって
焼き討ちされ、(事実上の奴隷狩り)
逃げ惑う牛の群れに遮られて、
父親と離ればなれになった
メンデは囚われの身に・・・。

ハルツームのラハブの家で、
アブダとしての暮らしがはじまりました。

ヌバ族の村から、ハルツームまでは、
車で、一昼夜程の距離ですが・・・

ロバしかもたない、ヌバの人々にとっては
どんなに遠い事でしょう。

ハルツームから、ラハブの実妹ハナン
の家(ロンドン)に移されたメンデは、
孤独を深めます・・・。

個人的にも、ハナンよりもラハブの
方が好感が持てました。

本書からは「ルーツ」の様な憎悪を
感じないのは何故でしょうか・・・。

あれだけの事があったにも係わらず
メンデの家族は、奇跡的に全員無事でした。

美しく成長したメンデは、
2002年12月にイギリスに亡命し
難民として永住権を得ました。

現在(20代)幼い頃の夢を叶えて、
医師になる勉強をしています。

依然として、男女を問わず、今も多くの子供達が
アラブ人の奴隷として囚われている
事もまた、事実です。
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ドナービジネス

dona-bizinesu60-88

一橋文哉著
新潮社刊

海外での、臓器移植を斡旋するブローカー。

誘拐した、子供の臓器を売買するドナーハンター。

死刑囚の遺体を入手する、臓器マフィア。

代理母・卵子バンクによって、臓器製造用の
胎児を増産する闇の組織。

関係者への取材をもとに、再生医療研究の
闇を描く。


著者は、1995年、連載「ドキュメント『かい人21面相』
の正体」で、雑誌ジャーナリズム賞を受賞。

その他の作品に、
「闇に消えた怪人・グリコ森永事件の真相」
「三億円事件」「オウム帝国の正体」
「宮崎勤事件・塗り潰されたシナリオ」
「赤報隊の正体」

本書は月刊誌「新潮45」の2001年1月~4月号
と6月号に連載された、闇の連鎖シリーズを
加筆修正した物。

ドナー問題に、特に関心があるわけでは
ありませんが、一橋文哉の本なので、購入。

・・・当然ですが、娯楽性は、全然なし。

次は、明るい本を読む事にします。

出版から、6年。
最新の再生医療研究は、さらに進んでいるのでしょう。

従来は、パーキンソン病患者の脳の内部に、無菌状態
のまま人工哺乳で飼育された、SPFブタの胎児の
脳細胞を移植して治療したのですが・・・。

パーキンソン病患者一人を、治療するのに必要な
ドーパミンはブタの胎児26頭分・・・。

現在では、4~10人の中絶された、人間の
胎児の脳を移植する方法が確立しているらしい。

治療できるのは、うれしい事ですが、
なんだか、怖いですね。

暗躍する闇の商人の活動を抜きにしても、
充分、寒気のする内容です。

どんな事が書かれている本なのかは、
家族にも、話しにくいですね。

アメリカには、胎児細胞を使った臓器製造を
研究中の、大手のバイオベンチャー企業が、
8社もあり、再生医療への応用を
目指しているそうです。

ES細胞の発見によって、体の組織が
人工的に作れる様になったのですから、100%
悪い知らせばかりでは、ありませんが・・・。

一方で、移植を待つ患者の窮状も
つづられています。

マニラで腎移殖を受け、人生を取り戻したOL・・・

死刑囚の腎臓を買い、職場に復帰し、病弱な妻
の代わりに、娘を嫁がせる事ができた父親・・・。

家族を失いそうになった時、倫理観と
感情の間で、苦渋の選択を迫られる人々の
苦悩も、描かれています。
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切り裂きジャック

kirisakijattku60-87

パトリシア・コーンウェル著     
相原 真理子訳     
講談社刊

「検屍官」シリーズの作家として有名な
パトリシア・コーンウェルが、
7億円を投じて得た克明な調査記録。




著者は、バージニア州リッチモンドの
検屍局で、6年間の勤務経験があるそうです。

オープニングから、真犯人が
名指しされたのは、意外でした。

ヴィクトリア朝後期の、著名な
印象派の画家ウォルター・シッカートに
注目し、様々な観点から、
犯人になりうる、可能性について
書かれています。

かなり長編ですが、最期の章に描かれている、
晩年の、シッカートの病気の妻に対する接し方を見ると、
彼のひととなりが判るでしょう。

読んでいると、 とても、113年前に
起きた事件とは思えません。

まるで、ニュースのように詳細な内容です。

2歳・9歳・20歳24歳、その他5枚ある、
シッカート本人の美貌の顔写真には、
驚きを隠せません。

4ヶ国語を話し、ラテン語・ギリシャ語
デンマーク語・スペン語
ポルトガル語の素養があり、
シェークスピアにも出演していた
シッカートは、どこから見ても紳士の風貌・・・。

切り裂きジャックのイメージとは、
かけ離れています。

現場の近くで、警官とすれ違っても、
誰からも疑われないでしょう。

事件よりも、当時の人々の暮らしぶりや、
シッカートの生い立ちが、多く描かれています。  

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| 晴れのち猫 |
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