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水底の棺 中川なをみ

minasokonohitugi
中川なをみ著
村上豊イラスト
くもん出版刊


平家が、都を追われようとする時代。

大阪なんば駅から高野口までの中間に実在する、

狭山池の改修工事にまつわるフィクション。


最近の改修の際、狭山池の湖底から重源による改修の事跡を刻んだ石碑が発見されたそうです。


河内の狭山で、素焼き(陶器)職人の息子として生まれた焼太(通称 小松)の

8歳から30歳までの成長物語です。


登場人物は、ワラ製品を売りに京へ上ったまま行方不明の父、

幼馴染で後に妻となる、隣の娘ゆう、

宋から来た留学生で、小松の親友となる恵海。

東大寺の高僧 重源と、その弟子 蓮空。


人買いに見放された小松が、

古刹の塔の前で、あっさり実父サスケに再会してから、 

ゆうを看取り、重源とともに狭山池の復旧を目指すまでを描く。
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月の恋人 道尾秀介

tukinokoibito
道尾秀介著
新潮社刊

人気作家による、月9書下ろしの、ラブストーリー。


冷徹にビジネスを成功させる青年社長、葉月蓮介が、

夜の上海で巡り合った美女。

物語は、レゴリスの社員らを巻き込み、波乱の展開に・・・。


物語の後半、蓮介が

弥生の祖父母が経営するメロン農場を訪れるあたりから、

事態は急展開するも、

原作のラストでは、シュウメイがミンと一緒に中国で玉のお店を、

オープンするために帰国して行く空港のシーンで、

物語は終ってしまいます。

ドラマでは、どういった結末を迎えるんでしょうか?



著者は、「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。

「シャドウ」で本格ミステリ大賞、

「カラスの親指」で日本推理作家協会賞、

『「龍神の雨」で大藪春彦賞をそれぞれ受賞されています。


グリムス:地球温暖化
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義経 宮尾登美子

yositune

宮尾登美子著
日本放送出版協会刊



源氏と平氏と朝廷の確執に煽られて、兄の不興をかい、

衣川で妻・娘(4)と共に自害するまでの、

31年間の源義経の生涯を描く。


源平、両方の棟梁に愛された、

常盤御前の生涯についても、描かれております。


平清盛についても、

従来とは異なる描き方で、興味深いです。

NHKで見た歌舞伎の常盤御前は、

哀しみに満ちていましたが、

読後は印象が変わりました。


義経・頼朝を取り巻く側近達の、

思惑・性格が描写されていて、

細かいエピソードが多く、

世間話を聞くような感覚で読めます。


義経、在京の折には28人の愛妾を持ち、

西国へ落ち延びる時にさえ、

船が難破する時までは、

12人が同行していたそうです。

吉野で入山するまでは、

静御前も一緒だったのですが、

静御前の印象も悲劇のヒロインから、

一転しました。


壇の浦で、尼君時子と共に入水したのは

実は・・・身代わりの守貞親王で、

入替わった安徳天皇は、

上西門院の猶子として成長し、

太上天皇として再び即位した後、

46歳まで生きたという・・・説があり、これは初耳でした。



17歳で結婚し、満州で敗戦を経験された著者の、

戦に対する想いが伝わってきます。
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ファントム(下) スーザン・ケイ

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スーザン・ケイ著
扶桑社刊



   1.ナーディル・・・エリックを逃亡させた罪で服役の後、パリへ移住する。

   2.エリック・・・稀に見る美声の持ち主。オペラ座の怪人、ファントム。
   
   3.エリックとクリスティーヌのフーガ
 
   4.ラウール・・・クリスティーヌ・ダーエの幼馴染の好青年、子爵。


エリックを、ペルシャへ招いたのは、シャー(皇帝)の母 大后だった。

美しくも残忍な大后の性格に、嫌気がさし、

ペルシャを離れ様とした矢先、

シャーの為に、隠し通路のある宮殿を建立したエリックに、追討の命が下る。

職務上、やむなく親友エリックの逮捕に訪れたナーディルは、

自身の危険を承知で、エリックを逃がすのだった・・・


無事に、ペルシャを脱出したエリックは、

母国語の懐かしさに舞い戻ったフランスで

亡き母に生き写しの歌姫、

クリスティーヌ・ダーエと出逢うのだが、

クリスチティーヌには、

幼馴染の求婚者ラウールがいたのだった。





亡きクリスティーヌの息子が、

エリックの父親と同じ名前で描かれております。


エリックと、ラウールの立場が逆だったとしたら・・・

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ファントム(上) スーザン・ケイ

fanntomu

スーザン・ケイ著
北條元子・訳
扶桑社刊



   1.マドレーヌ・・・エリックの母

   2.エリック・・・後年、ファントム(オペラ座の怪人)と呼ばれる少年

   3.ジョヴァンニ・・・ジプシーと同行する興行師

   4.ナーディル・・・皇帝の命でエリックをペルシャへと招くマザンデランの警察長官

19世紀、フランス。

最愛の夫シャルルを亡くしたマドレーヌが失意の中で産んだ長男エリックは、

この世のものとは思えない恐ろしい容貌だったが、

その声には、人を惹きつける類まれな魅力が備わっていた。


シャルルに似ていないエリックを、

どうしても愛することができないマドレーヌは、

マンサール神父のファーストネームをもらい、

エリック(=後のオペラ座の怪人)と名付け、

仮面をかぶせて屋根裏部屋で暮らさせる反面、

講師を招き建築学の英才教育を施す。


母の親友マリーから、

誕生日プレゼントに腹話術の本をもらったエリックは、

腹話術をマスターする。


エリックが、8歳の時、

村人の手で、唯一の理解者であった

老犬サシャを、目の前で惨殺されてしまう・・・

自分がいる事で母にも危害が及ぶと知ったエリックは、家出する。


馬泥棒と間違われ、

興行師ジャヴェールに捕らえられ、見世物にされながらも、

同行のジプシーの一団と暮らすうちに、

薬草の知識・タロット占いを習得するエリック。

だが、男色家だったジャヴェールから逃れる為とはいえ、

計らずも、ジャベールを手にかけてしまうエリック・・・


手品とスリで、生計を立てながら、ヨーロッパを旅し、

ローマで、

マスターメイソン(石工技師の長)のジョヴァンニと出会ったエリックは、

彼の家の地下室に徒弟として住み込む。

長男にも、跡継ぎになるべき非凡な弟子にも

恵まれなかったジョヴァンニにとって、

エリックは、息子以上の存在となる。


しかし、帰省した、美しくも奔放な末娘ルチアーナ(15歳)が、

エリックに一方的に想いを寄せるようになり・・・

迷惑がかかる事を恐れ姿を消そうとしたエリックを、

ジョヴァンニは引き止める。



彼女が、いやがるエリックの仮面の下の素顔を見た時、悲劇が・・・

錯乱し、引き止めるエリックを尻目に駆け出した彼女は、

朽ちていた屋上の手すりに身体をぶつけ転落し帰らぬ人に・・・。

それでも、親方には、エリックを責める気持ちはありませんでしたが、

傷心のエリックは、ニジニ・ノブゴロド(現ゴーリキー市)へと旅立つ。


ニジニ・ノブゴロドの夏の市が終る頃、手品の興行中のテントで、

ナーディルと出逢ったエリックだったが・・・





絶版になっているハードカバー版。

ブックオフの100yenコーナーで入手でき、幸運でした。

ガストン・ルルーの「オペラ座の怪人」を元に、

アンドリュー・ロイド=ウェバーの同名ミュージカル

などから着想を得て書かれた、フィクションです。

(上)は、クリスティーヌ・ダーエと

出会う以前のエリックの半生が描かれており、

癇癪持ち&クールな性格のエリックが、

ある一定の時だけ、慈悲深く、紳士的で

寛容に振舞うのが、とても興味深いです。

上・下どちらか1冊だけ読むとしたら、上を読みたいです。
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≪マクリーンの川≫

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ノーマン・マクリーン著
渡辺 利雄訳
集英社



北西部モンタナの渓流での鱒釣りを背景に
展開する家族の絆の物語。

不器用で堅実な兄、ノーマン。

フライ・フィッシングの名手ながら、
新聞記者としての才能も発揮できず、
奔放に生き、破滅していくポール。

ノーマン父子は、終生、
ポールの死について、こだわり続ける。





他の作品に
『マクリーンの渓谷』(全米批評家協会賞受賞)
『マクリーンの森』

ブラッド・ピットの出世作となった
ロバート・レッドフォード監督の
「リバー・ランズ・スルー・イット」の原作。

今世紀初頭の、アメリカへの
ノスタルジア文学としてベストセラーに。

著者は、ワーズ・ワス研究者です。

著者は、アイオワ州クラリンダの
スコットランド系移民の、牧師の家庭に生まれ、
フライ・フィッシングの名手だった父に育てられ、
シカゴ大学で、英文学教授を定年後の74歳で、
自分よりも才能に恵まれながら、
若くして死んでしまった弟の想い出をもとに執筆。

1977年ピューリッツアー賞小説部門の
第1候補になるも、「ルーツ」のジャンル分けの議論
(歴史or小説)の影響を受け、落選。

同年は同賞の受賞作品は「該当なし」に・・・。

物語全体に漂う、フィッシャーマンの誇りが
独特の世界観を、形成しています。

ロッキー山脈の自然を愛し、川を
神聖視するマクリーン家の人々。

物語が展開する場所は、ほとんど
「ビッグ・ブラックフット川」と「エルクホーン川」です。

家族の話題も多いのですが、内容の7割は
フライフィッシングのキャスティングについてです。

前半40ページは、ちょっと退屈です。

50ページで事件が発生します。
ネイティブアメリカンの登場人物も登場し
舞台はにぎやかに・・・。

39~43ページの、フライ・フィッシングの
描写は素敵ですよ。

静寂を楽しみながら、お気に入りの場所で
読みたい一冊。

山肌を、垂直に駆け上がるクマや、
ブラックフット川を泳いで渡るオオアカヤマネコ。

大きなブラウントラウト。

ロッキー山脈の大自然が、余す所なく
描かれています。

ブラックフット川の水底で、泡が立たない程
冷やして飲む「ケスラー・ビール」。

当時は、人口が1万人いる街では、当たり前の様に
地ビールが、作られていたみたいです。

古き良きアメリカへの思慕が綴られています。
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魔女の血をひく娘1・2

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セリア・リーズ著
亀井よし子訳
理論社刊


     
中世イギリスの魔女狩りから逃れて、アメリカの
入植地(ピューラ)へ渡った、少女メアリーの物語 。

メアリーの実母は、当時としてはめずらしい、
意思の強い聡明な貴婦人でしたが・・・

軍人の家系だったため、夫も舅も出征
してしまい、幾年にもわたる長い長い戦争
の間、メアリーの母は、たったひとりで、
広大な屋敷に取り残されます。

その間に、彼女は、ひとりでメアリーを
出産します。

メアリーは、かつて、彼女の母親の
乳母だった、老婦人に引き取られ
大切に育てられます。

町外れの林の奥で、祖母(育ての親)と
一緒に、静かに暮らしていました。

ふたりは、実母からの仕送りで、
貧しい中でも、安定した暮らしを
することができました。

どうして、働き手もいないのに、
『あんな豊かな暮らしができるのか?』

ふたりの暮らしぶりをねたんだ村人によって、
祖母は、魔女として告発されてしまいます。

当時、身寄りのない女性や、一人暮らしの
娘は、魔女として告発されることが、
多かったようです。

先住民族の信仰(自然信仰)を、
捨てない人々も、魔女として扱われました。

教会の礼拝を、一度も、かかさず通って
いても告発されてしまうのです。

産婆や治療師・薬草の知識に長けた人々も、
魔女ではないかと、疑われました。

『生かす力を持つ者は、殺す力も持っている』と
言うのが、当時の考え方の主流だったようです。

不幸な偶然が、かさなり・・・
メアリーの祖母は、
上記の全ての条件に当てはまる人でした。

祖母は、民間の魔女狩り人
オバダイア・ウィルソンによって、
メアリーの目の前で、
公開処刑されてしまいますが・・・

祖母の、最期の瞬間、メアリーは
謎の貴婦人(実母)によって、
群集の中から、救い出されます。

馬車にゆられ、宿屋で過ごすうちに、
メアリーは、実の母親だと気付きますが、
ふたりは、名乗り合うこともなく、別れます。

命がけの船旅の中で、 清教徒に
変装したメアリーは、同じく、
魔女狩りを逃れて、清教徒になりすました
治療師(産婆)マーサと知り合います。

マーサは、船底で、難産に苦しむ女性
(レベカの母親)を助け、
メアリーは、仮死状態で生まれてきた
男児を蘇生させます。

これって、善いことですよね。

ところが、後に、この事が、メアリーに
魔女の嫌疑がかかる、発端になるのです。

世界中の薬草を集めて回っている、
薬種屋のモース・大工のトバイアス父子
とも、船の中で仲良くなり、三人は入植後、
一つ屋根の下に暮らすようになります。

イギリスよりも、寒い土地でしたが、
暮らしは幸せでした・・・。

ところが、メアリーがジョンソン師の甥(牧師)
の、求婚を断った事と・・・。

レベカが、ジョンソン師の求婚(再婚話)を
断ったことが、かさなって、メアリーの立場は、
危ういものになります。

ジョンソン師の妻は、そのわずか2ヶ月前、
衰弱した体で、無理なお産をして亡くなりました。

5人の子供を残して・・・。

亡くなったジョンソン夫人は、独身の頃、
天涯孤独の身になり、魔女狩り人に追われて、
川底に沈められ、溺死寸前の所を、
偶然通りがかったジョンソン師に、助けられました。

そのまま、赴任先の教区について行き、
ふたりは結婚したのです。

レベカと大工のトバイアスは挙式間近で、
そのことは、村の誰もが知っていました。

もちろん、ジョンソン師もふたりの結婚を認め、
祝福していたのに・・・。

しかも、この時、レベカのお腹には、
トバイアスの子が・・・。

その事実を知った、メアリーは、
泣きじゃくるレベカを、慰め、励まします。

親友として、当然の行為だと思いますが・・・。

ところが、その事を伝え聞いた、ジョンソン師は、
メアリーのせいで、破談になったと、逆上。

メアリーは、ジョンソン師の
恨みをかってしまいます。

間の悪い事は、重なるもので、
ちょうどその頃、オバダイア・ウィルソンが、
魔女を追って、入植地にやってきます。

入植地の近くの森の奥で、魔女の儀式を、
行った形跡が見つかったと・・・。

儀式をした真犯人は、村の実力者の娘でしたが・・・。

集会で、魔女だと名指しされた、メアリーは
ネイティブアメリカンの青年カケスが待つ、
森へと逃げ込みます。

季節はずれの雪が、足跡を消し去り、
メアリーの行方は誰にもわかりませんでした。

数日後に無事出産したレベカは、
生まれた女児をメアリー・モースと名付けます。

メアリーの手縫いの「キルト」は、
マーサに託されました。

やがて、年老いたマーサは、
「キルト」をレベカに、譲ります。

レベカから、娘へと「キルト」は
受け継がれました。

娘のいない時は、長男の妻が
受け継ぎました。

こうして、メアリーの「キルト」は、大切に
代々、受け継がれていったのです。

この「キルト」は、お産の時、母と子にのみ
使うように代々、申し送られていました。

「キルト」をかけてもらった、新生児は、
ひとりも亡くならず・・・

同様に母親も、産褥熱を発症した人は
ひとりもいなかったそうです。

このお話が、どこまでが、フィクションなのか
私にはわかりませんが、

清教徒が新大陸に入植してから、 間もな く、
アメリカ初の魔女裁判が、行われたそうで・・
それには、とても、驚きました。

続編では、森の中で凍えているメアリーを
カケスが発見し、ふたりは、結婚します。

カケスの祖父、白いワシ(シャーマン)は
疫病で亡くした娘(白い小鳥)の花嫁衣裳を
メアリーにおくり、 暖かく迎え入れます。

ふたりの間には、息子(黒いキツネ)も生まれ
メアリーは幸せでしたが、白人との戦争が勃発し
再び、 時代の渦に巻き込まれてゆくのです・・・。

イギリスで「ハリーポッター」を出版した
ブルームズベリー社の、一押しの作品。

世界16ヶ国で、出版されました。

「キルト」の中から発見された、メアリーズペーパー
(魔女狩りを逃れて、中世イギリスから新大陸へと
渡った少女の日記)をもとに書かれたフィクションです。

メアリーズペーパー発見のニュースは、
大きく扱われたので、ご存知の方も多いのでは。

私は、数年前、そのニュースを耳にした時から
読みたかったので、本書を見つけた時は、
うれしかったです。
北米インディアンの暮らしぶりや、
毛皮を用いた衣服、部族ごとの慣習などが
克明に描かれていて、おもしろい。

魔女狩りが公的な機関ではなく、
個人の魔女狩り人によって、行われた
事は、意外でした。

魔女狩り人は、集落を、魔女の危害から
救ったと言う理由で、役場から、
謝礼を受け取るのです。

続編では、本編よりも、巻末にある、
ピューラ(入植地)の村人達の、その後の
消息のほうが、興味深く感じました。
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