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ゾーヴァの箱舟

hakobune

ミヒャエル・ゾーヴァ画
BL出版 刊

ミヒャエル・ゾーヴァの画集です。

タイトルどおり、海に浮かぶ箱舟に
様々な動物が乗った絵画が、
何枚も描かれております。

それが、なんとも不可思議な感じに描かれています。

写実的な絵画ですが、
普通ありえない様な、組み合わせの動物が、
一緒に乗り合わせていたりして・・・。

海面の状態も様々です。

ぼんやり、眺めていると不思議と癒されますね。

後半も、ちょっと考え込んでしまう様な、
不思議なイラストが描かれております。
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世界で一番の贈りもの マイケル・モーパーゴ

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マイケル・モーパーゴ作
マイケル・フォアマン絵
佐藤見果夢訳



映画「戦場のメリークリスマス」の原作です。


第2次世界大戦の前線で自然発生した、

イギリス兵とドイツ兵の、

クリスマス休戦の物語です。


クリスマス休戦の間、

両国の兵士は、塹壕の中で、

お互いに自国の酒と、

とっておきの食料を持ち寄り、

一晩中、飲み明かしたのだそうです。


物語の主人公はクリスマスの日に、

たまたま骨董屋で、

念願のアンティ-クの机を入手します。


帰宅後、大喜びで、購入した古机の修理をしている時に、

偶然「開かずの引き出し」に気付きます。


その開かず引き出しの中には、

箱に入った古びた手紙が、隠されていました。


その古い手紙は・・・

第二次世界戦中に、戦地にいた若い兵士から

妻への・・・生存中に書かれた最期の手紙でした。


そこには、妻の字で

「私が死んだら、この手紙と一緒に埋葬して欲しい」

と、添え書きがありました。


古机は、よく見ると、焼け焦げた痕がありました。

戦禍の痕跡でしょうか。


心配になった主人公は、

手紙に書かれていた住所へと向かいます。


妻の家を捜すと・・・今は老婦人になっているでしょうが、


老婦人の家は、火事になり、引っ越していました。


引越し先を訪ね歩き、最後に主人公が向かった先は保養所でした。


老婦人は、痴呆の症状が進み、

個室に、おいででした。


結局、その若い兵士(=ご主人)は、

クリスマス停戦後の戦闘で、

戦死してしまわれていたのです・・・。


手紙を受け取った老婦人は、

「クリスマスには帰ると約束したとおり帰って来てくれたのね」

と・・・主人公の手を握りしめました。


彼女の目に映ったのは、

出征の日、別れたままの夫だったのでしょうか。


美しくも悲壮な物語です。

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ふしぎなでまえ かがくい ひろし著

husiginademae

かがくい ひろし著
講談社刊



ある日、ものぐさなジャガ君とサツマさんが、
出前を頼む事になりました。

らいらい軒に電話して、カレーとラーメンを。

天丼は、天麩羅屋さんへ。

お寿司は、お寿司屋さんへ、お願いしました。

やがて、出前が届きますが・・・
・・・アパートのドアをノックしたのは、
からっぽのカレー皿と、からのラーメン鉢でした。

お皿と鉢は、あろう事か、
お腹がすいたので、
カレーとラーメンを、食べたいと言い出します。

しかたなく、ジャガ君とサツマさんは、
キッチンに立ち、料理を始めましたが・・・。

お皿と鉢は、マズイと言ってダメだしをするのです。

それなら・・・・と、ふたりは、今度は、腕によりをかけて、
作り直しました。

お皿とお鉢は、「美味しい」と喜んで、
満足そうに完食しました。

満腹になった、食器達は、では、そろそろ・・・・と、
魔法のように、からの食器を注文通りの、
絶品カレーとラーメンで満たしました。

ジャガ君とサツマさんが、ちょうど、
食べ終わる頃、玄関の外には・・・
「ピンポーン」
からっぽのお寿司桶と
フタを取った丼ぶりが、待ちかまえていたのです・・・。
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にいさん  Mon Frere いせ ひでこ著

niisann

いせひでこ著
偕成社刊



画商だった、実弟テオドルスの目を通して見る
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの姿を描く。

ゴッホは神父の長男として、生まれました。

都会へ出て、画廊に勤務し、実家へ仕送りもしていました。

聖職者にしなかった事を父親も喜び、
ゴッホは、家の誉れでさえありました。

画廊をやめ、父と同じ聖職者を目指します。
貧しい人々に福音を届けるため、炭鉱へ。

炭鉱夫として地下500mへ潜ったといいいます。

やがて、テオからの仕送りを頼りに、画家を志しますが、
テオはゴッホの絵画を、
一枚も売る事ができませんでした。

テオもまた、画廊に勤めていました。

堅実な人生を歩むテオとは、対照的に、
ゴッホの人生は破綻してゆきます。

オランダ、ベルギー、パリ、オーヴェール、アルル
そして・・・サン・レミの精神病院・・・。

転々としながらも、画家としての道を歩み続けます。

画家の卵が集える様にと、せっかく建てた家には、
結局・・・誰も集まりませんでした。

パリへ出ても、やはり、芽が出ず苦悶する日々・・・。

涙にならない哀しみ・・・やるせなさが漂う作品です。

ゴッホは生涯で、弟テオに700通もの手紙を書いています。

絵本を開くと、
樹木の根、ひまわり、麦畑・・・美しい風景が広がります。

麦畑の向うから、風が吹いてくるような気がしますね。

プロヴァンスの、やける様な陽射しも感じます。

美しい青色が印象的でした。

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ゆきがやんだら

yukigayanndara

酒井駒子著

雪は、夜中からしんしんと、降りつもりました。

えんバスが雪で動けないから、
幼稚園は、お休みです。

母兎は、ゆっくり眠るように、言いましたが・・・。

子兎の少年は、飛び起きました。

でも、ママが風邪ひくから、ダメって…。

外出させてもらえませんでした。

僕は、窓から外をながめて過ごしました。

お父さんは出張先から、帰れなくなったので、
今夜は、お母さんと二人っきりです。

夜になって、ベッドに入る前に、ちょっとだけ、
お外へ、出られる事になり、
僕は、もう、おおはしゃぎです。

外は、白銀の世界。


兎の母子は、あまりにも自然に、
人間のように暮らしています。

お父さんが出張中だったりして・・・
そういうところが、とても人間みたい。

兎のお家というと、
可愛らしい一軒家を想像していたので、
近代的な灰色のコンクリートの
マンションだったのには、驚きました。

口数の少ないウサギのお母さんの、
おだやかな愛情を感じる内容です。

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よるくま 酒井駒子

yorukuma

酒井駒子著



「ママあのね…昨日の夜ね」

「可愛いコが、きたんだよ。」


少年が昨夜、自分の部屋で起きた、

不思議な体験を母親に語るお話。


夢とも現実ともつかぬ、ファンタジックな物語。



夜、僕の所にやって来た、

不思議な、黒い子熊『よるくま』と僕が、

行方不明の『よるくま』のお母さんを、

一緒に探しに行く冒険物語です。



こんなに完璧に、くまなく家の内外を

捜してしまったら、母熊の出る場所が

なくなってしまうのでは・・・と心配でしたが・・・。

見事に自然な形で登場させましたね。

あっ・・・・て感じでした。

夜空で、釣りをしていたなんて。


星や魚が描かれていて、夢が広がります。

夢オチですが、脱力感はありません。


『よるくま』の涙は、真っ黒。

何故か、「よるくま」はツキノワグマです(笑)


著者は、着物のデザインも手がけられております。
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母べえ 野上 照代

kaabee

野上 照代著
中央公論新社刊



日中戦争が激化しはじめた頃のお話。


野上家では、ドイツ文学者の夫・滋と妻・佳代、

そしてしっかり者の長女・初子と

天真爛漫な次女・照美の4人が貧しくも明るく暮らしていた。


お互いを「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」と

呼び合うのでした。


昭和15年2月の、ある寒い朝、

夜が明けると間もなく、

父べえ(滋)が治安維持法違反で検挙され、

思想犯として投獄されてしまいます・・・。


隣町の警察署長の娘だった母べえにとって、

辛い日々が始まる。


土足で訪問した、ふたりの特高に、

父べえが連行される所は、衝撃的でした。


毎週末、差し入れを持って、面会に通う

母べえは、周囲の冷たい視線・言葉の暴力にも、

ひたすら笑顔で耐えたのだった・・・。


やがて、巣鴨へ移送された父べえは、

第二次世界大戦が勃発する前に、

30代の若さで心疾患で、突然、帰らぬ人に・・・。



ノンフィクションですが、父べえが投獄中に、

病死する所だけは、フィクションです。


実際には、連衡された滋氏は無事釈放され

夫妻ともに、50代まで存命だったそうです。


当時の暮らしぶりが、身近に感じられました。


哀しいお話ではありますが、

家庭の温もりが肌で伝わる様な、

ほのぼのした描写が多いので、安らぎますね。
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トスカーナの祈り イタリア、光と風の旅(葉祥明画集)

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葉祥明 著
サンリオ刊

葉祥明の画集です。

著者が、1998年「世界わが心の旅」(NHK)で、
見た風景が描かれています。

明るいトスカーナ、聖フランチェスコの町アッシジ、
緑濃いペルージャの丘などの風景画を収録。


巻末には、著者の
旅行記も書かれていて興味深いです。

イラストと風景写真を、一緒に
見られるので楽しめましたよ。
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宿恋 ~銀の森の鬼~ ①

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白井幸子作
秋田書店刊



銀の森の鬼

宿恋 ~銀の森の鬼~ 第1章
宿恋 ~銀の森の鬼~ 第2章
宿恋 ~銀の森の鬼~ 第3章

峠の女盗賊・山吹の許婚 捨左は、
仲間を裏切って、財宝を持ち脱げした上、
盗賊の隠れ家を役人に通報し、
仲間は散りぢりに・・・。

瀕死の重傷を負った山吹は、
結界に守られた銀の森に迷い込む。

その時、笛の音が響き、人の気配が・・・。

気配の主は、自らの屋敷に連れ帰り手当てを施す。

目を覚ました山吹の前に現れた、
命の恩人とは・・・
『銀の森の鬼の墓標の墓守』シロガネだった。

シロガネは、鬼だった母上と
人との間に生まれた半妖でしたが、
やがて、夫に捨てられた母上は、
悲嘆にくれ、絶望のあまり「銀の墓標」と、
化してしまっていました。

人に心を奪われた鬼は、
身体が銀化して「銀の像」になるのです。

強く惹かれあう、シロガネと山吹だったが、
鬼の銀を狙って現れた捨左の手で、
山吹は斬られ、命を落としてしまう・・・。

シロガネは、その後、数百年の間、
山吹の肉体が、塵に変わるまで、
その場に立ち尽くしていた・・・・。

永い眠りから覚醒したシロガネの前は、
雅楽の家に育った娘 弓張(ゆばる)と出会う。

弓張こそ山吹の生まれ変わりであると、
直感したシロガネは、弓張に接近するが、
弓張には、鉱石学者を目指している
「満」という恋人がいた。

満と弓張は、銀でできた
ペンダントトップをペアで持っていたが、
この銀こそシロガネの母上の、
銀化した身体の一部だったのだ。

鬼の銀は、長時間、人の肌に触れると、
人体と同化し、やがて、その人間までも、
銀化させてしまう、恐ろしい物質だった。

「母上の銀」は、ホームレスの源さんから、
満が譲られたものでした。

ある夜、源さんがいつものように、
廃工場で寝ていると、
重傷を負った血まみれの美女が現れ、
しばらく、うずくまった後、去って行ったという・・・。

その美女が流した血は、
銀に変化して床に落ちていたというのだ。

この美女こそ、甦ったシロガネの母上でした。

母上は、身体の銀化を抑制するために、
人間の生気を吸っていたのです。

すでに、大勢の人々が犠牲になっていましたが、
弓張にも、母上の魔の手が迫ります。

シロガネには目もくれず、
生気を求めて彷徨う
母上の姿を見たシロガネは・・・。



しろがねが、御簾の奥から登場するシーンは、
ちょっと、犬夜叉に出てくる奈落を連想しますね。

オープニングで、いきなり
鬼の正体がわかってしまうところは意外でした。

前半は美しい物語ですが、
後半から、急にホラーっぽくなってきます。
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紫の履歴書 

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美輪明宏
水書房刊



装丁とは、全く異なるイメージの内容に驚きました。

手に取られた方は、冒頭の数ページで、
同じ感想をお持ちだと思います。

意外性が多く、次々と興味をひかれる内容なので、
長編でしたが、一気に読めましたよ。

著者の、33歳までの
赤裸々な半生が描かれています。

赤木圭一郎氏とのドライブの想い出も・・・。

冒頭は美しい故郷の描写から、始まるのですが
著者が、どれ程、原爆で焼失してしまった街を愛していたか・・・。

10代の頃の想い出は、涙なしには読めません。

同時代の苦学生が、さらされた苦労のほとんどを、
体験されました。

被爆後、2度の大事故にも・・・。

本文中には、「男らしく」「それが男というものだ」
と言う、表現が随所に見られ、
著者の信条が現れています。
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犬とわたしの10のやくそく

inu10



落合恵子 翻訳
メグ・ホソキ イラスト
リヨン社 刊

世界中の動物サイトに伝わっている、
作者不詳の詩「犬の十戒」が、
単行本から絵本になりました。

「虹の橋のたもとにて」は、
ネィティブアメリカンの伝承とも言われている、
素敵なお話です。

私も、よく似たお話を日本版の伝承で、
耳にした事があります。

ペット達がいる場所は、
虹のたもとではなくて、三途の川のほとりでしたが・・・。

不思議に一致する内容で驚きました。

もう、絶対に、逢えないと思っていた愛犬に、
再会できたら、どんなに素晴らしいでしょう。

ちょっぴり、楽しみです。

間もなく松竹系で、公開される
『犬と私の10の約束』(主演:田中麗奈 監督:本木克英)の
原作です。

映画のCMで、私は、10年位しか
生きられないというのを聞いて、
難病にかかった少女と愛犬の物語
だと、思い込んでおりました。

「私を叩く前に、思い出して下さい。

私には、あなたの手を簡単に噛み砕ける歯がある事を・・・後略」

という一節に、胸が痛みました。

うちの猫も、叱られる前に、抱きついて来るんです・・・。
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初雪のふる日 安房 直子

雪兎は、歌います。


「片足、両足、トントントン」


雪うさぎに連れ去られた子供は、
二度と戻って来られない・・・

何処か遠い所で、小さな雪の固まりに、されてしまう。

usagi

安房 直子 著
こみね ゆら イラスト
偕成社刊


ある日、女の子は、ろう石で描いた石蹴りの輪を見つけます。

片足、両足、片足、両足、片足、片足、両足・・・


モミの木の森を抜け、見知らぬ街を通り、

女の子は、夢中になって、石蹴りを続けます。


ふと、気が付くと、前後を大勢の「白うさぎ」に、

囲まれてしまっていました!


兎達は『雪うさぎ』でした。


雪兎は、歌います。


「片足、両足、トントントン」


雪うさぎに連れ去られた子供は、
二度と戻って来られない・・・・

何処か遠い所で、小さな雪の固まりに、されてしまう。



いつか、おばぁちゃんに聞かされた

恐ろしいお伽話を、思い出した女の子は、

教えてもらった、おまじないを唱えようとしました。


すると、白うさぎは、いっせいに歌を合唱します。


女の子は、おまじないを言えないうちに、

どんどん、遠くへ、連れ去れてしまいました・・・。


「おばぁちゃん、助けて!」


そう思った途端、足元の石蹴りの輪の中に、

よもぎの葉っぱが落ちているのが目に入りました。


女の子が拾うと、春の香りがあたりに立ち込め、

白うさぎは歌うのをやめました。


雪がやみ、あたたかい陽射しが女の子のほほを暖めます。


女の子は急いで、おまじないを唱えました。


「よもぎ、よもぎ、春のよもぎ」


すると、雪うさぎの姿は、消え失せ、

女の子は、見知らぬ街に、ひとり、たたずんでいました。


人々は、見知らぬ女の子の周りに、集まり、

何処から来たのか尋ねます。


日が暮れないうちに、女の子は、バスに乗せられ、

住んでいた懐かしい街へと、送り返されました。


雪うさぎが、去った後、

女の子が、薬局の前にたたずんでいる様子が印象的でした。


こみね ゆらさんのイラストで、

雪うさぎの魔法の世界が表現されています。


夢中で遊んでいるうちに、知らない人に

囲まれていたりしたら、怖いですね・・・。
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神秘の短剣 ライラの冒険2

raira2

フィリップ・プルマン著
大久保寛訳
新潮社刊


ウィリアム・パリー・・・・・・神秘の短剣の守護者となる12歳の少年。グラマン博士の息子。
ライラ・シルバータン・・・・アスリエル卿の娘で、ジョーダン学寮に住む女の子
パンタライモン・・・・・・・・ライラのダイモン(守護精霊)
アスリエル卿・・・・・・・・・探検家で、ライラの父親
マリサ・コールター・・・・・未亡人 ライラの母親
チャールズ・ラトロム卿・・別名ボーリアル卿。オックスフォードの名士で、コールター夫人の愛人。
スタニスラウス・グラマン博士・・・別名ジョン・パリー。ウィリアムの父。
ロジャー・パースロー・・・ライラの親友で、ジョーダン学寮の調理場の下働き
マ・コスタ・・・・・・・・・・・・船上生活者ジプシャンで、ライラの乳母
ジョン・ファー・・・・・・・・・ジプシャンの頭領で、セラフィナ・ペカーラの命の恩人
ファーダー・コーラム・・・・ジプシャンの賢者
イオレク・パーニソン・・・・ライラを愛するパンサー・ビョルネ 
               恋敵を殺害した理由で追放されたが王位に復権。よろいグマの王子 
リー・スコーズビー・・・・・・・テキサス男 気球乗り
イオファー・ラクニソン・・・・・コールター夫人に憧れる、スバールバルのよろいグマの王
セラフィナ・ペカーラ・・・・・・・エナラ湖地区の魔女一族の女王(300歳) 外見は20代
ルタ・スカジ・・・・・・・・・・・・・・アスリエル卿の恋人だったラトビアの魔女の女王。
ランセリウス・・・・・・・・・・・・トロールサンドにある魔女の国の領事
メアリー・マローン博士・・・・・ダークマター研究者


1.ネコとシデの木

2.魔女たちのあいだで

3.子どもたちの世界

4.穿頭

5.航空便の手紙

6.光をうけて飛ぶもの

7.ロールスロイス

ウィルは、病気の母親を近所に住む、
ピアノ教室のクーパー先生に、預けました。

怪しい男達が、家の中に侵入したからです。

侵入者は、初めは、ウィルの父親について
尋ねに訪問したのですが、
今では、すっかり大胆になり・・・
留守宅に、無断で上がりこんで、
家捜しをするようになったからです。

彼らが、必死で捜しているモノとは・・・

古ぼけた緑色の皮の文具箱でした。

中には、行方不明のウィルの父親の
写真・手紙が数枚入っています。

ウィルは、父親の事を、あまり、よく知りません。

母親は、来るべき時にそなえて、
ウィルを、まるでスパイごっこをしている様に、育てました。

そのため、ウィルは、
目立たない様に行動するのがとても、得意でした。

母親を預けた翌朝、まだ日が昇らないうちに、
侵入者は、やって来ました。

2階で、眠っていたウィルは、
明け方、不審な物音で目覚め、
侵入者のひとりに向かって、体当たりをしました。

後ずさりして、飼い猫のモクシーにつまづいた男は、
階下へ落ちて、テーブルに激突・・・。

図らずも、ウィルは、侵入者の一人を、あやめてしまいます。

階段の手すりをすべり降りて、屋外へ脱出したウィルは、
異世界への『窓』を発見します。

『窓』の向う側は・・・・スペクターの充満する、
チッタガーゼという街でした。

スペクターは大人だけを、襲い、
生気を吸い取ります。

生命までは、奪いませんが、生ける屍にするのです。

子供の目には、スペクターは映りません。

大人が誰もいない不思議な街・・・・チッタガーゼで、
ウィルは、ライラ・シルバータンと出会います。

ライラは、霧の中を進むうちに、
父アスリエル卿とはぐれ、
チッタガーゼのホテルに身を潜めていました。

ウィルの焼いたオムレツに舌鼓を打った後、
ふたりは、北極で消息を絶った、
ウィルの父親の捜索を開始します。

このウィリアムの父こそ、
スタニスラウス・グラマン博士と同一人物でした。

羅針盤はライラに、
ウィルの父を捜すように、指示しましたが・・・
ライラは、これに、従いませんでした。

ダスト(=ダークマター)の研究者、
メアリー・マローン博士に会いに行ったのです。

その結果、リュックの中の、黄金の羅針盤を、
チャールズ卿(=ボーリアル卿)に盗られてしまいます。

ウィルとライラは、黄金の羅針盤を奪還すべく、
ボーリアル卿の屋敷に乗り込みますが、
狡猾なボーリアル卿は、居直りました。

黄金の羅針盤を返す条件として、
チッタガーゼにある、トーレ・デリ・アンジェリ(天使の塔)に
隠れている男が、所持している
『神秘の短剣』を持ち帰るように、ふたりに迫ります。

その時は、まだ・・・・
スタニスラウス・グラマン博士は、生存していました。

もともと、グラマン博士は、
ライラの生まれた世界の人では、ありませんでした。

ウィルの世界から、来たのです。

グラマン博士こそが、ウィリアム・パリーの父親
ジョン・パリーだったのです。

グラマン博士は、一時期、エニセイ川の支流のほとりの、
エニセイ・パクタール族のシャーマンになっていました。

頭に穿頭を施したのは、そのためです。

「ジョパリ」と名乗っていたそうです。

ウィルは、父の死を乗り越え、
手指を2本失いながらも、
神秘の短剣の守護者となりました。



映画化決定した「ライラの冒険 黄金の羅針盤」の続編です。

ひとりの人物が、ふたつの顔を持ち、
異世界へ通じる窓を使って、行き来しています。

マリサ・コールターは魔女では、ないのでしょうか。

もし、そうなら、どの魔女が母親なのか、気になりますね。
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ふしぎなおきゃく

fusiginaokyaku

肥田美代子作
岡本颯子絵
ひさかたチャイルド刊



街で一番の人気店「とんちん軒」に
「不思議なお客さま」が、現れます。

さて・・・誰でしょう?

街で一番のらぁめん店「とんちん軒」に、
ある日、不思議な来客がありました・・・。

毛糸のシマシマ模様の帽子を、
目深にかぶっていて、顔はよく見えません・・・。

ひとりで入店し、カウンターで、
らぁめんをオーダーすると、
ひと口だけ食べるのです・・・。

ほんの、ひと口すすって、お店を出て行ってしまいます。

次の日も、その次の日も・・・。

とんちん軒の主人は、
「ウチのらーめんがマズイのかな?」
と、頭をかかえてしまいます。

いてもたっても居られなくなった、とんちん軒の主人は、
ある日、とうとう、このナゾの人物の
後をつけてしまいます。

街を抜け・・・

森へ・・・

森の奥で、ナゾの人物を見失ってしまった主人は、
寒さと疲労で座り込んでしまいました。

ちょうど、その時、目の前に一軒の明かりが見えてきました。

主人が、近寄ってみると、
そのお店は、らーめん店でした。

寒さに震えながら、らーめんをオーダーするし、
ひと口食べて、びっくり・・・。

「これは、うちの らーめんだ」

ラーメンを作っていたのは、あの、ナゾの人物・・・

いえ、ナゾの動物の正体は、
ウサギのらーめん屋でした。

聞けば、ウサギは、街で美味しいと評判の
とんちん軒と同じ味の、ラーメンを作るために、
毎日、食べに来ていたのでした。

沢山食べると、味がわからなくなるため、
食べたいのを我慢して、ひと口だけ食べて、
森へ帰り、厨房でらーめんを作っていたのでした。


森の、らーめん店は、
ミノムシみたいな屋根でできています(笑)

表紙を見れば、ウサギだと、すぐにわかるのですが、
それでも、最後まで読みたい本でした。
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岸辺のふたり マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット原作

kisibe

マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット原作
うちだややこ訳
くもん出版刊



自転車で、川べりに到着する父娘。


父親は、少女に見送られて、
ボートで対岸へ漕ぎ出します。

いつまでも、見送る少女。

少女は、いつまでも、いつまでも、川岸に立ちすくみ
父親の帰りを待ちわびますが・・・。

いくら、待ちつづけても、誰も、帰っては来ませんでした・・・。

やがて、あどけない少女は成長し・・・。

恋をして、子供も生まれ・・・。

いつしか、子供も大きくなって、家庭を巣立っていきました。

あの日、川岸に立ち尽くしていた少女は、
年老いて・・・今では、老女になりました。

再び、父親と別れた川岸にたたずむ老女・・・。

そこには、東陶と流れていた、あの川の姿はありません。

川は、干上がって、草地になっていたのです。

何かに引き寄せられる様に、
その堤防を、ひとりで、降りて行く老女の姿が・・・。

草地の真ん中で、彼女が見たのは・・・。

そこには・・・あの日、父親が乗っていったボートだけが、
ひっそりと、置き去りになっていました。

老女は、そのボートに、
いつまでも、いつまでも寄り添っていました・・・。



不思議と惹き付けられるイラストです。

父親は、自殺だったのか・・・

それとも、事故にあったのか・・・

私には、わかりません。

ただ、あの場所から旅立った父親が、
ついに、帰らなかったと言う、強い想いを感じます。

穏かで、それでいて感情をかき立てられる本です。
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黄金の羅針盤(下) ライラの冒険

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フィリップ・プルマン著
大久保寛訳
新潮社刊



第2部 ボンバルガー

12.ゆくえ不明の少年
13.フェンシング
14.ボンバルガーの灯
15.ダイモンの檻
16.銀のギロチン
17.魔女たち

第3部 スバールバル

18.霧と氷
19.とらわれの身
20.死闘
21.アスリエル卿の歓迎
22.裏切り
23.星へのかけ橋

ライラ・ベラクア・・・・・・・・・アスリエル卿の娘で、ジョーダン学寮に住む女の子
パンタライモン・・・・・・・・・ライラのダイモン(守護精霊)
アスリエル卿・・・・・・・・・探検家で、ライラの父親
コールター夫人・・・・・・・・未亡人 ライラの母親
ロジャー・パースロー・・・・ライラの親友で、ジョーダン学寮の調理場の下働き
マ・コスタ・・・・・・・・・・・・・船上生活者ジプシャンで、ライラの乳母
ジョン・ファー・・・・・・・・・・・ジプシャンの頭領で、セラフィナ・ペカーラの命の恩人
ファーダー・コーラム・・・・・・ジプシャンの賢者
イオレク・パーニソン・・・・・・ライラを愛するパンサー・ビョルネ 
                   恋敵を殺害した理由で追放された、よろいグマの王子 
リー・スコーズビー・・・・・・・テキサス男 気球乗り
イオファー・ラクニソン・・・・・コールター夫人に憧れる、スバールバルのよろいグマの王
セラフィナ・ペカーラ・・・・・・・エナラ湖地区の魔女一族の女王(300歳) 外見は20代

黄金の羅針盤によって、
ボンバルガー基地のまわりには、
鉄条網がはりめぐらされていて、
60人のライフルを持ったタタール族が、
火炎弾を放つ武器・大砲と共に、守っている事が判明。

しかし、ライラは湖畔の村に出没する
幽霊に会って話をするため、よろいグマに騎乗して、
ひとりで、村へ向かわなくてはなりませんでした。

クマは、驚く程、毛深かった。

ライラは途中で、戦争へ向かうために、
何百もの魔女が北へ飛行するのを、目撃する。

魚の貯蔵小屋でうずくまっていた、
トニーという少年は、生きていましたが、
・・・ダイモンが、いなかった。

ゴブラーが、インターシジョン(切りはなし)したのです。

『切り裂かれた子供』とは、この事だったのです。

通常、ダイモンは人間から3mしか離れられません。

それ以上離れると、ダイモンに引っ張られるし、
胸が張り裂けそうになるからです。

ダイモンを遠い異国まで、とばせるのは、魔女だけでした。

間もなく、ジプシャンの一行に追いつきましたが、
誰もトニーを気味悪がり、近づきませんでした。

クマに、たしなめられて、ジプシャン達は、
トニーを介抱しましたが・・・
夜明け前に、トニーは逝きました。

暖かい場所に、じっとしている事が、できなかったのです。

ソリで移動する間、ライラは、リー・スコーズビーから、
スタニスラウス・グラマンは、タタール族に
殺害されたのではないと、知らされます。

霧に包まれた雪原で、犬を休ませている時に、
サモエード族の猟師の襲撃を受け、
ライラだけが、ボンバルガーへさらわれてしまう・・・。

ライラは、リジー・ブルックスと名乗り、
医師達に素性を隠して、
情報の収集に努めたが、
ゴブラーが、ダイモンの「切りはなし」を、
このボンバルガーで、行っている事は、明白だった。

親友ロジャーや乳兄弟トニーと再会し、
避難訓練の混乱に乗じて、
セラフィナ・ペカーラのダイモン(ハクガン)の援護で、
切りはなされ、檻に閉じ込められていた
ダイモンを、開放する。

鳥に姿を変えたダイモン達は、
ハクガンの後について、持ち主の元へと、飛んで行った。

何事もなかったように、
避難訓練に戻ったライラの前に、
飛行船が降り立ち、コールター夫人が現れる・・・。

夫人の到着は、明日の予定だったが・・・

ライラは、明日になれば、ジプシャンの一行が、
ボンバルガーに到着すると予想していたので、
その機に乗じて、火災報知器のベルを合図に、
子供達で、脱出する手はずになっていたのだ。

夜、コールター夫人を囲んでの会話の内容を
スパイするため、単身、天井裏をつたって
会議室へ向かうライラだったが、
万一を考え・・・・・・黄金の羅針盤は、
コートのポケットに入れたまま、
合同寝室の天井裏に残していった。

新型の、切りはなし機が完成した事を知る。

ライラは、見つかってしまう・・・。

パンタライモンが捕らえられ、
身動きが出来なくなったライラは、
新型機の銀のギロチンの餌食に・・・・・・

切りはなされそうだった、ライラのピンチを救ったのは、
意外にも、コールター夫人だった。

コールター夫人は自室にライラを連れ帰り、
憔悴しきった様子で、
カモミールティーを飲ませて介抱してくれた。

ライラは、決してママとは呼んだりはせず、
何も知らないフリを装っていた。

ライラは、心配するコールター夫人の質問に、
カクテルパーティーの最中に、誘拐されたと、
もっともらしい話を聞かせつつも、
すでに、夫人の関心が、防水袋の中の
『真理計』に集中している事にも、気付いていました。

旅立ちの朝、学寮長から託された物を、
渡すように、ライラに要求してきました。

しかし、コールター夫人が『真理計』だと思って、
袋から出したのは、大きさこそ同じでしたが・・・
機械仕掛けの追跡装置でした。

ライラが、金属加工の名人でもある、よろいグマに頼んで、
あらかじめ作ってもらっていた、ダミーでした。

コールター夫人が、ブンブンうなる追跡装置の缶のフタを、
開けている間に、ライラは駆け出しました。

火災報知器のブザーを鳴らし、
調理場のガスを開栓し、小麦粉を投げ、放火しました。

子供達は、すでに、脱出の準備を整えていたので、
いっせいに、ボンバルガーから逃げ出しました。

雪原には、タタール族が、待ち伏せしていましたが、
ライラは、鎧の隙間から、
目潰しの雪を投げつけて、逃げました。

クマが突撃し、魔女が上空から弓矢を射かけ、
ジプシャンも合流しました。

コールター夫人も、スノーモービルで、ライラを、
取り戻しに来ましたが、ライラはロジャーと一緒に、
魔女の雲マツにつかまって、上空に逃れました。

リー・スコーズビーの気球に、クマと共に乗って、
実父アスリエル卿の囚われている、
スバールバルへと向かうのです。

アスリエル卿が、研究を中止しないため、
死刑が確定するかも知れないのです。

セラフィナ・ペカーラ他数人の魔女が、
気球を北へと、ひっぱってくれました。

崖鬼(クリフ・ガースト)の襲撃で、
ライラは、気球のカゴから投げ出され、
クマとはぐれてしまった・・・

霧の中から、よろいグマの一団が現れ、
ライラはスバールバルへ投獄されてしまう。

牢の中にいた、学者から、
イオファー・ラクニソンに関する情報を入手した、
ライラは、番人をそそのかして、イオファーと逢う。

イオファーは、イオレクが追放される前から、
コールター夫人に恋していて、
人間になりたがっていました。

イオファーは王座の上で、
コールター夫人にそっくりのマネキンを、
膝に抱いていました。

・・・・・・ダイモンの、つもりなのです。

そう・・・イオファー王は何よりも、
自分のダイモンを欲しがっていました。

ライラは、これを巧妙に利用し、
イオファー対イオレクの、王座決定戦を提案します。

自分は、イオレクのダイモンであり、
イオレクと1対1で、闘って勝利したクマだけが、
自分(=ダイモン)と一体になれる・・・・とだましたのです。

かくして、イオレクは火炎弾による攻撃を、
受ける事なく、クマの宮殿に入り、
イオファーを倒して、王位につきました。

ライラは、再会したロジャー・イオレクと一緒に、
アスリエル卿の幽閉されている屋敷へと、
向かいました。

再会を喜ばないアスリエル卿に怒りを感じながらも、
ライラは、ぐっすりと眠ってしまいました。

執事に起こされて見ると、すでに、
アスリエル卿の姿はなく・・・

ロジャーが・・・ロジャーがいなくなっていました。

思えば、昨夜・・・・アスリエル卿は、ライラの
父娘の名乗りにも、一切、感動を示さず・・・・・

『真理計』・・・・

折角、ライラが届けた『黄金の羅針盤』に対してさえ、
「いらない」と、言っていました。

では、アスリエル卿が、地球へ通じる『橋』を
完成させるために、入手したかったものとは・・・・・

子供だったのです。

装置の稼動時に、必要なエネルギーのために、
犠牲となる子供が現れるのを、待ち望んでいたのです。

ライラに再会した時に、
「お前を待っていたのではない」と、
言ったのは、そういう意味でした。

ライラは、ロジャーを助けたい一心で、
北極まで来たのに・・・・

結果として、ロジャーをここまで、
連れて来てしまったのです。

ライラは、駆けつけましたが、間に合いませんでした・・・・

ライラは、ロジャーの身体を、抱いていましたが、
もう、すでに、ロジャーは動かなかった。

アスリエル卿は、間もなく追いついて来たコールター夫人に、
橋を渡って、一緒に地球へ行こうと、誘います。

ふたりは、今でも愛しあってはいましたが。

夫人は断わります。

ライラは、アスリエル卿の後から、
空に架かった橋を、渡り始めました・・・。


結局、活躍したのは、ジプシャンでも
パンタライモンでもなく、クマでしたね。

ロジャーは、コールター夫人よりも、
アスリエル卿の方が、怖いと言っていたのですが、
それでも、翌日、ロジャーがあんな事になるとは、
思えませんでした。

あれほど、反目しあっていたコールター夫人と、
同じ事をするなんて、私にとっては、意外な展開でした。
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黄金の羅針盤(上) ライラの冒険

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フィリップ・プルマン著
大久保寛訳
新潮社刊



   第1部 オックスフォード

     1.トカイワインのデカンター
     2.北の国のこと
     3.ライラのジョーダン学寮
     4.真理計(アレシオメーター)
     5.カクテル・パーティー
     6.投網
     7.ジョン・ファー
     8.いらだち
     9.偵察

   第2部 ボンバルガー

     10.領事とクマ
     11.よろい

ライラ・ベラクア・・・・・・・・・ジョーダン学寮に住む女の子
パンタライモン・・・・・・・・・ライラのダイモン(守護精霊)
アスリエル卿・・・・・・・・・探検家
コールター夫人・・・・・・・・未亡人
ロジャー・パースロー・・・・ライラの親友
マ・コスタ・・・・・・・・・・・・・船上生活者ジプシャン
ジョン・ファー・・・・・・・・・・・ジプシャンの頭領
ファーダー・コーラム・・・・・・ジプシャンの賢者
イオレク・パーニソン・・・・・・よろいをつけたクマ
リー・スコーズビー・・・・・・・気球乗り

カーネギー賞・ガーディアン賞受賞作

奥の間を一目見たくて、
食堂に忍び込んだライラとパンタライモンは、
椅子の後ろに隠れて、学寮長と執事の会話を聞いてしまう・・・。

とっさに隠れた、衣装タンスの中で、
学長が、叔父(アスリエル卿)の大好物のトカイワインに
毒を混入する場面を目撃してしまう。

アスリエル卿は、デカンターをテーブルから叩き落し
門衛の粗相に見せかけて、難を逃れる。

忍び込んだライラを叱りながらも、
学寮長の見張りもかねて、
ライラに映写機で映し出す、
いくつかの貴重なスライドを、見せてくれたのです。

そこには・・・

北極のオーロラと一緒に、ひとつの『街』が、
かすかに、見てとれました。

塔・教会・丸屋根の並ぶ、その街こそ、
今、私達の住んでいる世界だったのです。

不思議なダストという現象も、
スライドには写っていました。

『切り裂かれた子供』という、ナゾの言葉とともに、
何かが始まる予兆のようでした。

北極で、アスリエル卿が撮影したスライドとともに、
何ものかに殺害された、
スタニスラウス・グラマンの生首も披露されました。

12歳のライラの日常は、トム・ソーヤーの上を行く、お転婆ぶりです。

インディージョーンズなみの冒険をするにふさわしい少女です。

ジョーダン学寮の屋根を、隅々まで登って遊ぶのですから。

調理場の下働きの少年ロジャーと一緒に・・・。

丁度、その頃、スラム街では、
思春期を迎えていない子供達が、
次々と、姿を消すという、不可解な事件が発生していました。

誘拐の手口は・・・

ダイモンを金色のサル(コールター夫人のダイモン)に、
拉致されると、正常な判断力を失い、
意のままに連れ去られるというものでした。

警察も渋々、捜査にのりだしましたが、
解決には、至っておりません・・・。

誘拐犯は『ゴブラー』と、名付けられ、
母親達に恐れられましたが、
子供の間では、ゴブラーごっこが流行っています。

ライラとロジャーも、その中のひとりでした。

ワイン倉庫でゴブラーごっこをする事に飽きたライラは、
危険なあそびをロジャーに、もちかけます。

それは、礼拝堂の下の地下の埋葬室の中での、
ゴブラー狩りだった。

ロジャーと二人で、地下墓地に出入りする所を、
ヘイスト師に見られてしまい、詰問されます。

その場では、無事に帰されましたが、
それが、ライラが、ロジャーを見た最後でした・・・。

ロジャーも、他のジプシャンの子供と同様に、
誘拐されたのです・・・。

ロジャーに心を残しながらも、
ライラには、旅立ちの時が迫ります。

コールター夫人が、ライラを自分の助手にするために、
連れ帰りたいと、学寮長に依頼したのです。

出発の朝早く、家政婦のロンズデールさんから、
朝食前に、学寮長に会いに行くように、言われます。

「顔を、洗うのは後でいいから」と・・・

学寮長から、ビロードに包んだ
真理計(世界に6つしかない黄金の羅針盤)を、渡されます。

コールター夫人の、エンバンクメントの
豪壮な高級アパートでの暮らしが始まりました。

素敵な狼の毛皮のコートも、買ってもらいました。

後に、このコートを着たまま、逃げ出す事になるのですが・・・

その頃のライラはまだ、
学者でもあるコールター夫人に、夢中でした。

ある日、ライラが、いつも持ち歩いている白いセカンドバックを、
寝室に置いておく様に、言いつけられます・・・。

バックの中には、黄金の羅針盤が入っていました。

「家の中で、バックを持ち歩くのはおかしい」と
コールター夫人に、詰問されます・・・。

やがて、優しい口調で、部屋をおとずれ、
ライラに、ほほにキスさせますが・・・

ライラの不信感は、つのりました。

いつもの、素敵な香りではなく、
金属の焼ける様なニオイがしたからです。

やがて、ライラの不信感は、
カクテルパーティーで、現実のものとなります。

パーティーに出席している間に、
コールター夫人のダイモンが、
ライラの寝室の中の荷物を調べていたのです。

もう・・・黄金の羅針盤は、
見つかってしまったのかも知れません・・・

総献身評議会(=GOB)の話を、
人々から、聞き出し、
誘拐事件に利用されるのを避けるために、
ライラは脱走します。

コールタールの塗られた投網で、
今まさに、捕らえられ様とした時
ジプシャンに救出されます。

ライラには、警察から、
千ポンドの懸賞金がかけられましたが、
ジプシャンの頭領ジョン・ファーは、皆に、
大恩あるアスリエル卿の娘である事を理由に、
ライラを守り抜く事を宣言します。

実は、ライラは、飛行船の事故で亡くなった、
ベラクア伯爵夫妻の娘ではなく・・・

アスリエル卿とコールター夫人の間に
生まれた娘だったのです。

ふたりは、互いに、瞬く間に魅かれあったのですが・・・

当時、コールター夫人には、政治家の夫がいました・・・

ふたりは、不倫の間柄だったのです。

やがて、コールター夫人はライラを出産しますが、
あまりにも、夫に似ていないライラを見た夫人は、
「死産だった」と、夫には告げ、
アスリエル卿に、ライラを渡しました。

ライラは、ジプシャンの、
マ・コスタの乳で育てられたのです。

真相を知ったエドワード・コールターは、
アスリエル卿の屋敷に押し入り、
タンスの中にかくれていたライラを、
殺そうとしましたが、
駆けつけたアスリエル卿の手で、
返り討ちにあいました。

裁判の結果、広大な屋敷も土地も、没収され、
国王よりも、裕福だったアスリエル卿は、
たちまち、貧乏になってしまったのだそうです。

当初、ウォトリントンのオビディエンス修道女会に、
入れられたライラを、力ずくで奪還したアスリエル卿は、
旧友ジョーダン学寮長に預けたのでした。

ジプシャンたちは、自分達の誘拐された子供を
ゴブラーから救出するために、
黄金の羅針盤を読む事ができるライラとともに、
旅立とうとしていました。

ラップランドにある、
魔女の国の領事マーティン・ランセリウスに、
今では、エナラ湖地区の魔女一族の女王となった、
旧知の魔女セラフィナ・ペカーラの住所を、
教えてもらった一行は、
子供を輸入している、北方探検前進社の情報と、
クマの助けを借りる様に、助言を受けます。

よろいグマのイオレク・バーニソンは、
ラングロクル通りのはずれの
ソリの発着所で、働いていました。

クマは、6時に仕事を終えると、
エイナーソンという酒場で飲んでいるのです。

クマが、探検隊に参加する条件は、
この街の人間に騙し取られた自分の『よろい』を、
取り返す事でした。

スカイアイアンでできた、イオレクの『よろい』は、
司祭の家の地下室に、かくされていました。

真理計(アレシオメーター)が、教えてくれたのです。

気球乗りのリー・スコーズビーと
よろいグマも加わって、いよいよ、
北極へ、旅立つ一行の後を、
コールター夫人の、サルのダイモンが、
こっそりと尾行していました・・・。



著者は、イギリス人で
やっぱりオックスフォード大学のOBでした。

世界中の多くの子供が、そう望む様に、
聡明で勇敢な父親だったアスリエル卿のモデルは、
もしかすると・・・イギリス空軍の軍人だった、
著者の父親では、ないでしょうか。

もしも、母親が魔女で、父親が探検家の伯爵だったら・・・
いかにも、空想好きな子供の描きそうな夢です。

正直、ファンタジーは、あまり好きではなかったのですが、
荒唐無稽で、楽しい本でした。
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当世白浪気質 ~東京アプレゲール~ 杉山小弥花

touseiromann

杉山小弥花 作
秋田書店 刊

「ミステリーボニータ」に連載された漫画


   第1話 三番目の選択
   第2話 お嬢さんお手をどうぞ
   第3話 焼け跡のプロメィテウス
   第4話 美しき呪い
   第5話 放蕩息子の帰還
   第6話 楽園の条件
   第7話 すべて世はこともなし

アプレゲール=戦後派

昭和23年。

終戦後、間もなく闇市の残る帝都 東京を舞台に、
腕利きの美術品泥棒 吉田虎之助が活躍する。

秩父の元華族の、お宝を狙うハズが、
バスを乗り間違い、山奥に迷い込んでしまう・・・。

バス停で居合わせた老婆に、おにぎりを勧められ
ひと口食べて、気を失った虎之助。

おにぎりには、睡眠薬が入っていた・・・。

拉致された、山住村の旧家 真神家で、
市松人形のような美少女真神千越
(まがみ ちお)と出会う。

間もなく、16歳になる千越は、
村の安泰のために、山の神(白狼)の元へ、
嫁入りしようとしていた。

生贄である・・・。

村が危急の時には、生贄になる事が、
代々の真神家の当主の掟だった・・・。

狼のような瞳と霊力をもつ千越に、
一目惚れした虎之助は、
千越を連れ去り、ふたりで山を降りる。

深窓の令嬢と泥棒の、逃避行がはじまる・・・。

東京にある虎之助(=トラ)のアパートを、
ルームシェアして生活するが、自分の過去については、
何も語らないトラに対して、
千越は、かすかな不信感を抱きながらも惹かれてゆく。

実は、トラは、戦前は、深川の橘一家の子分だったが、
親分の小吉に無断で志願兵となり、中国にいたが、
戦後はシベリアで抑留生活を送っていた。

トラの隠された一面に戸惑いながらも、
千越は、命がけでトラを守ろうと活躍する。


絵はフツーですが、設定の面白さで楽しめました。

時代考証も緻密です。

解説を、一切入れず、全部、トラの口から
語らせる事で、キャラに奥深い魅力を与えていますね。

トラの表情は、ちょっとづつ、微妙に変わります。
トラの、心境の移り変わりも、見事に表現されています。

千越は、見た所、代わり映えしない風貌ですが、
狼の末裔であるとか、風変わりな口調などで、
特異なキャラに仕上がっております。
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奈落と金色の虹

naraku6086

園田千萬男著
東京図書出版会刊

   1.まえがき
   2.洞庭湖の落日
   3.敗戦と赤痢
   4.奈落
   5.金色の虹
   6.湖のひくとき
   7.揚子江を下る
   8.独歩患者
   9.秋風
   10.平等
   11.桜島は平然
   12.あとがき

敗戦後の中国で、園田軍曹が体験した
野戦病院(武昌・上海)を舞台にしたフィクションです。

昭和20年8月5日から、復員までを描いた戦記小説です。

平成17年、執筆。


昭和20年8月5日、第30・31連隊の自動車隊は
中国軍の襲撃により、連隊長以下、全員戦死・・・。

17台炎上・・・荷物も奪われてしまう・・・。

車の故障により、死角に停車したため
無事だった園田軍曹。

マラリヤのため休養した、洞庭湖畔で終戦を知る。

3日後、高熱は残るものの、
マラリヤの症状の治まった園田軍曹は、
新たな体調の異変に気づく・・・。

当時、中国全土で流行した
アメーバ赤痢に感染していた。

身の危険を感じ、安全のために入院した、
武昌の野戦病院で、園田軍曹を、
死の渕から生還させた、「金色の虹」とは・・・。


著者の自伝的小説ですが、
フィクションであることを強調されていますので、
どこまでが事実かは、わかりません。

入院せずに、部隊に残ったアメーバ赤痢の患者が
完治して、復員している所からも、
悲惨な野戦病院の状況が、想像できます。

薬がない上に、1日にコップ1杯のおもゆでは、
衰弱する一方です。

園田軍曹は、司令部が火災になった時に、
燃え残った軍票を(全部焼失したと報告済み)
友人から、自分がもっているとまずいからと、
押し付けられます。

園田は、友人から譲り受けたこの軍票(数万円)を、
婦長らに渡すことで、内密に注射をしてもらいます。

深夜に、内緒でおにぎりの差し入れも・・・。

園田軍曹が入院していなければ、元憲兵だった南は
アメリカ軍に連行後、中国軍に引き渡されて
処刑されていた訳ですから・・・。

園田軍曹が入院した事によって、
一命をとりとめた、南・・・。

逆に、園田軍曹にもらった4個の栗饅頭を
一気に食べたために、命を落とした人も・・・。

復員船の甲板で内地を見て、
合掌する南の姿は、涙を誘います。
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森のささやき

morinosasayaki

蒔 悦子作
荒蒔直人訳
悠書館刊



山も大きな川もない関東平野のまっただ中。

あるのは畑と田んぼと林。

宅地林を背にした家々だけという農村風景。
景色の変化にとぼしい分、
夕もやにかすむ森の時間が流れていく様を
固唾をのんで見守っていた子供時代。

子供の時の感動が
おとなになっても忘れられない。

そんな思いを作品化した絵本に、
交通事故で逝った息子による英訳を付して出版。


フード付きのコートを身にまとっているので、
主人公の顔はわかりません。

森の奥へ奥へと、歩いて行く主人公・・・。

私自身も、森の奥へ引き込まれていく様な
感覚にとらわれました。

イラストを見る限りでは、深いこの森は、
到底、日本の森には思えません。

何処か、ユーラシア大陸の果てにある様なイメージです。

森の絵は、何が起こっても
不思議ではない程、神秘的に描かれています。

主人公は、森の奥で、
離れ離れになった家族と、再会するのですが・・・。

目立たない表紙とは、裏腹に、
あでやかな森の世界が広がります。

最後に、一瞬だけ主人公が、
振り向くシーンがあるので、お楽しみに。

2007.12月に出版された作品ですが、
「森のささやき」というタイトルの絵本は、
他に、2冊もあります・・・。

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| 晴れのち猫 |
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