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クラウディアのいのり 村尾靖子

kuraudezxianoinori
村尾靖子著
小林豊イラスト
ポプラ社刊



ロシア革命後、幼くして家族を失い

独りでひっそりと暮らすクラウディアは、

ある日、保養所でひとりで食事している日本人男性に気づきました。


誰にも分け隔てなく親切なクラウディアは、

その男性に声をかけました。


男性とその妻子は、終戦時、

一緒にユーラシア大陸にいたのですが、

男性だけが、スパイ容疑でロシア当局に逮捕されてしまったのです。

過酷なシベリア収容所での抑留生活を経て、

解放はされたものの、スパイ容疑は晴れず、

帰国の許可も得られず、

未だに当局に監視されているのだと言うのです。


クラウディアは、気の毒でなりませんでした。

間もなく、ふたりは、村にあるクラウディアの家で、

共に静かに暮らし始めました。


夏は、サイドカーに同乗して、ミツバチの森へ行き、

ふたりでハチミツをたくさん採って、夏中、森の家で暮らしました。


男性(ロシア名ヤコブ)は、機械も木工もとても得意で、

作れない物はない程でした。

当局の監視に怯えながらの暮らしではありましたが、

ふたりは幸福でした。


両親と死別したクラウディアにとって、温かい家族の生活は

かけがえのないものだったのです。


ところが、ふとした事から、ヤコブの妻子が健在で、

夫の帰国を日本で待っている事が、判ってしまうのです・・・

クラウディアは、悩みました。


クラウディアの出した結論は、

「他人の不幸の上に、自分の幸せを築く事はできない」

というものでした。

黄昏に、日本の歌を口ずさみながら、

ひっそりと哀しむヤコブの姿を見てしまったクラウディアは、

覚悟を決めたのでした。


やがて、ふたりは、駅で今生の別れをします。

日本に帰国したヤコブの手元には、

クラウディアからの手紙が残されました。

それは、ふたりの想い出を綴った、長い長い手紙でしたが、

ついに、ふたりが再会する事はありませんでした。





ヤコブの無実を信じたクラウディアの

ひたむきさには心を打たれます。

どんな機械も自作できる人は、

当時は稀だったのではないでしょうか。

逮捕される前は、どんな職業の方だったのか、

何故、スパイ容疑をうけたのかは、

書かれてはおりませんでした。

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