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熱源 川越宗一

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川越宗一著
文芸春秋刊


かねてから、受賞の呼び声が高かった作品なのですが、

ついに、2020年直木賞受賞されました。


筆者が、北海道を旅行したことをきっかけに生まれた作品。

国籍は違えど、境遇の似た二人の実在の主人公が、サハリンで出逢い、

「熱」が生まれるまでが描かれております。


故郷サハリンがロシア領になり、

北海道江別市対雁へ移住を余儀なくされたアイヌの人々の知られざる苦悩を描く。

あまり知られてませんが、アメリカの先住民も、

免疫をもたないまま、白人と接し

次々と伝染病に倒れて逝ったといいますが、アイヌの人々も、また、

コレラ・天然痘で倒れていきました。



主人公ヤヨマネクフの妻も天然痘を発症し、息子を残して逝ってしまいます。

生前交わした約束を守るべく、

山辺安之助なる日本人名を取得してまで舞い戻った彼が見たものは、

・・・ロシア領サハリン。

無情にも、かつての ふるさとの面影は、すでに無く、

とばっちりで政治犯にされ、サハリンに流刑になったポーランド人苦役囚

ブロニスワフ・ピウスツキと出会うのでした。

彼ピウスツキも また、故郷リトアニアで母国語さえ奪われロシアからの迫害を受けてきました。


意気投合した二人の間に、「熱」がうまれます。


「サハリン」と、ラトビアではありませんが「リトアニア」。

どちらもピートモスの銘産地です。

過去、紛争が起こるたびに、度々、ピートモスの輸入も止まってきました。

かつて、先住民の人々が暮らす平和な土地に文明化の波が押し寄せ、

理不尽な同化政策を強いられた史実をもとに描かれています。

晴れのち猫
Posted by晴れのち猫

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